3.ふたりきり ーDay1ー
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
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「さて、と。そろそろ…夕食食べ終えたかな?」
小百合は時計を見る。時刻は19時54分。
1時間半前にLの部屋に夕食を運んだので
そろそろお皿を下げに行こうと、
ステンレス製のキッチンワゴンと共に部屋へと向かった。
分厚い扉をゆっくり開けて
Lの邪魔にならないように静かに歩き
1時間半前と変わらずじっとしているLの背中に声をかけた。
「L、お皿を下げに、」
小百合は最後まで言えなかった。
Lの目の前に作りたての夕食を置いて
リビングへ戻り1時間半。
置いたままの状態の夕食が1時間半そのまま
Lの目の前にあったからだ。
忙しいだろうから、と片手で食べやすいチョップドサラダと1口サイズに切ったローストビーフが綺麗に寂しくお皿に残っている。
優しい味わいの温かいグレイビーソースと
添えてあったマッシュポテトは虚しくも
カピカピに冷めてしまった。
Lは一切夕食に手をつけていなかった。
「……夕食、要らなかった?」
小百合はLの為に作った料理を
一口も食べてくれてないのが悲しかった。
昼間のケーキは食べてくれてたのに、と少し落ち込む。
Lはパソコン画面から黒い瞳だけを動かしちらっと隣に立っている小百合を見た。
「あ…すみません。糖分を欲していたので」と言いながらLはパソコン横に置いてある紅茶用のシュガーポットから角砂糖を1つ摘み口に放り込む。
小百合が夕食を食べていない事に悲しんでいるのは顔を見てすぐに分かったから
Lは夕食を食べなかった事に謝罪と理由を述べた。
小百合は「そう……」と蚊の鳴くような声で呟いた後、手早く夕食を片付けLの部屋から出た。
小百合は冷めてしまったローストビーフをどう保存しておこうか迷っていると
ふと、ノートに書いてあったことを思い出した。
“自分で食べようとしなかったら食べさせる”
食べたくない、のでは無くLは普通の食事を取るという意識すら無いのかも。
身の回りの事をする暇もない
常に効率的且つ合理的な方法を瞬時に選択し
行動しているLの事だから…
あっ、と小百合はある事に気付く。
そうだ、シュガーポット…
夕食を運んだ時はシュガーポットから溢れるくらいの角砂糖があったのに先程、部屋に行った時
Lは指をシュガーポットの中に突っ込み取っていた。
「本当に、糖分欲してたんだ……」
あ、なんだ、良かった。
わたしの料理、食べたくない訳じゃないんだ。
口元がつい綻ぶ。
小百合はローストビーフをレンジで温め
乾いたチョップドサラダをもう一度混ぜて
再びLの元へ運んだ。
勿論、角砂糖の補充も忘れない。