3.ふたりきり ーDay1ー
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「Lの……お世話?」
キッチンに立ち小百合は困惑していた。
ワタリから貰ったノートにはLの身の回りの世話について注意書きとLの動力である糖分について時間割と糖度スコアがびっしりと書かれていた。
糖度スコアというのは食べた時のLの反応らしい。
低いものは用意しなくていいとメモ書きもあったが、
スコア満点の糖分がおびただしく記されていた。
そして、これら全てを3日間、ワイミーさんに代わって、用意しなければならないという驚愕と困惑で小百合は数十分間、キッチンで立ち尽くしていたのだ。
大量のスイーツは全て高級なブランドのものばかり。
ある程度冷蔵庫にストックがあるので
買いに行けば問題なさそう。
最悪、レシピを見ながら作ればいい。
しかし、身の回りのお世話とは…
ワイミーさんの綺麗な達筆の字に指を添え
もう一度、読み直す。
「え〜…と、お風呂は1日1回以上必ず、ヒューマン…ウォッシャー?歯磨き。え、と、それから…着替え、服は専用の衣装部屋にある、1人では…着る気が無い為、
きっ、きがえ、さ…せ、る?そ、それからえーと、」
ページを捲り、更に読み上げる。
「シュガーポットの砂糖はきらさないこと、紅茶は冷めたら新しいのをすぐに用意、ふむふむ…1つの事件に区切りが付いた時、栄養満点の料理を、用意する…自分で、食べようとしなかったら……た、べ、させ……る」
段々、読むのが億劫になった。
パタッと音を立てノートを閉じ
小百合は1人ツッコんだ。
「子供かーっ!!!」
小百合はおでこに手を当て
こんがらがった頭の中を整理するように
ワイミーズハウスの頃とここに来てからの事を思い出す。
確かに、Lが身支度等をしているのは見た事ない。
そういえばいつも隣にワイミーさんが居た。
「え、もしかして今までワイミーさんが全部してたの?うそー全然気付かなかった…」
「私は子供ではありません」
何処からともなくLの声が聞こえ
全身が飛び跳ねたようにビクッと反応した。
キョロキョロと辺りを見渡していると
一体いつから聞いてたのか、リビングの扉からLがひょこっと顔を出した。
扉で顔が殆ど隠れているのでLの表情は見えないが
どうやら機嫌を損ねてしまったらしい。
「そういう意味じゃ…」
「私は自分の身の回りの事は面倒で、全てワタリに任せているだけです。ワタリの真似事など不要です。糖分さえあれば問題ありません」
ひょこっと出した顔を戻し、リビングに入って来ず扉の裏に隠れ何やらぶつぶつ言い続けているので、小百合は肩を竦め、膝を抱えて座り指を咥えた不機嫌な体の大きい子供に小百合は両膝をつき向き合った。
Lの大きな瞳がこちらを向く。
不眠症ともとれる不健康な隈が目に入る。
ここ2年で更に酷くなったな、と小百合は思った。
これが目的の為なら手段を選ばない非道であり、
法の正義を守り続ける者の代償だろうか。
小百合はノートを見た時、本気でLの事を自分の事は何も出来ない子供かと思った。
でも、世界を背負う彼には自分の身の回りの事など考えている暇も、する暇もないのだと、Lの取れることない隈を見て気付いた。
小百合は慈愛に満ちた表情で柔らかく見つめ、親指の腹で優しく隈をなぞった。
少しでも彼の重荷が無くなるように、と願いを込めて。
「Lの……、健康に関わりますので、しっかりお世話させて頂きます」