Valentine
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¥丑嶋 馨¥
(よしっ…!出来たっ!!!)
リビングの時計を確認し慌てて用意して
麻希は家を出た。
大切に壊れないように気を遣いそっと持ち運ぶ。
電車を降りて歩いて着いた先は
雑居ビルの一室カウカウファイナンス。
扉の前で軽く髪の毛の乱れと服装を確認して
人差し指で優しく扉をコンコンとノックした。
「はい…あ!麻希ちゃん、どうしたの?」
麻希の顔を見るなり高田は
ニコッと王子様スマイルで招き入れてくれた。
「みんな、お疲れ様です」と
頭を下げながら麻希はゆっくり入る。
「うさちゃんっ!お疲れー!」
「おう、麻希!」
仕事終わりなのか珍しく事務所には
全員揃っていて皆デスクワークをしていた。
「どうした?」
書類をトントンと整えながら丑嶋は
麻希の方をちらっと見た。
「あ…あの、今日バレンタインだから」
と麻希は大事に持っていた紙袋から
可愛くリボンで梱包した袋を取り出した。
「もしかしてっ…!!チョコっスかー!?」
電卓を叩く手を止めてマサルは立ち上がり
目を輝かして麻希の持っている紙袋を
見ている。
「ごめんね。チョコじゃなくて…」
〝マサルくんへ〟と書かれたハート型のメッセージカードと一緒に梱包した袋をマサルに渡した。
「クッキー焼いてきたの。はい、マサルくん」
ふわっと微笑む麻希を見てマサルは顔が
赤くなった。
「マジっすか…!あざっす!!!」
「はは、良かったな。マサル」
「高田さんも…良かったら」と
マサルと同じメッセージカードと
一緒にクッキーを渡した。
「ありがとう、麻希ちゃん。嬉しい」
「貴明くんと、加納くんと…小百合ちゃんも」
「麻希〜!!手作りとかマジで嬉しい、ありがとな!」
「うさちゃん〜ありがとう」
1人1人丁寧に麻希は手作りクッキーを渡していった。