柄崎の初恋
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「あのね…昨日、話の途中だったから…」
「あー、別にいいよ。そンな…大した話じゃなかったし」
「わたし、柄崎くんから告白されて嬉しかったよ、ありがとう」
「でも…あの…わたし馨くんの事が好きだから…。
柄崎くんの気持ちに応えられない…ごめんなさい」
「…麻希が謝る事じゃねェーよ」
(やっぱ丑嶋の事が好きなンだ)
確かに丑嶋の話をする時は少し恥ずかしそうに話すことが多かった。
何となく、そんな気がしてた。
でも、どっかで認めたくなくて、気のせいだと
否定していた自分がいた。
下を向くと履き潰して少し汚れた自分のスニーカーが目に入った。
「ねぇ、柄崎くん…」
「あ?」
横で歩く麻希の方をちらっと見ると
頬を赤く染めて照れてる麻希と目があった。
「あの…わたしも、下の名前で呼んでいいかなぁ?
このまま、何も無かった事になるのは嫌だから…
これからも友だちで居ていい?」
麻希の優しい心遣いだった。
照れながら優しく微笑む麻希を見て
目頭が熱くなった。
「…ッたりめーだろ!守るって言ったからな」
「ふふふ、嬉しい。話せなくなるの嫌だったから」
(可愛いッ!やっぱすげェ可愛いッ…!!告白して良かったァァ!)
柄崎は心の中でガッツポーズをした。
ふと見上げると綺麗な青い空が目に飛び込んだ。
明るくて、爽やかで、気持ちのいい晴れ。
気持ちを伝えフラれてしまったけど
決して悪いものではなかった。
そして、ふと気付いた。
(丑嶋の事が好きという事は…)
「あ、なぁ…」
「なぁに?」
「噂で…聞いたんだけど、滑皮と付き合ってンのか?いや、まぁ、噂で聞いただけだけど。気になって」
「そんな噂あるんだぁ。ふふ、付き合ってないよ。
滑皮さんはわたしの大切な人」
「あ、前に話した凄くかっこいい人って言うのは滑皮さんの事だよ」
「ふーん、そっか…」