柄崎の初恋
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「柄崎と何話してたの?」
「えっ、あ…馨くんの事で…柄崎くんが慰めてくれたの」
戌亥との会話が嫌でも聞えてくる。
麻希と仲良さそうに、しかも普通に手を繋いで
頭を撫でたりしてる戌亥を見てイライラしてきた。
(卯咲月と仲良いーのは知ってたけど…
仲良よ過ぎじゃね?…なンか腹立つ)
「うさ……、おい!!麻希!!!」
苗字で呼ぶのを止め、麻希の背中に叫んだ。
戌亥と麻希は驚いた顔で振り向いた。
「麻希!さっき言ったこと…本当だから!!
なンかあったら言えよなっ!!」
照れくさくて早口になってしまったけど
麻希にしっかりと届いた。
「柄崎くん、ありがとう」
満面の笑顔で麻希は答え
戌亥と一緒に教室へと向かってしまった。
「おい、柄崎〜!また麻希ちゃんが呼んでるぞ」
放課後、同じクラスの男子がにやにやしながら教えてくれた。
「あぁ、すぐ行く」
(何の用だろ…?)
ダラダラと立ち上がり何も入ってない鞄を持って
麻希の待つ廊下へ向かった。
「柄崎くん、一緒に帰ろ?」
柄崎の目をじっと見つめ首を傾げながら
ふわっと微笑む麻希を見て
消えない気持ちが溢れてしまう。
何となく目を合わす事が出来なかった。
「お、おう」
斜め下に視線を落としぶっきらぼうに答えた。