柄崎の初恋
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屋上で話した後、
このまま何も無く帰るのも嫌だったので
麻希と一緒に帰ることにした。
「あの、柄崎くんって…馨くんの事嫌いなの?」
「いや、まぁ…別に」
初めは嫌いと言うか気に喰わない存在だったけど
鰐戸三兄弟の件もあって丑嶋の事を見直した。
友だちと言えるような関係でも無いし
なんて伝えたらいいか分からなくて
曖昧な返事になってしまった。
「そっかぁ、仲直りしたんだね」
上品に微笑む麻希を見て胸がキュンと高鳴る。
「卯咲月はさ…丑嶋と…仲良いーのか?」
「うんっ!馨くん怪我して倒れてたから…病院行って…
そこから段々話してくれるようになったんだぁ。
放課後よく会ってたの」
「あー…丑嶋の事、シメたのは悪かったと思ってる。
なンか…悪ィーな」
「ふふっ、男は喧嘩して拳で語り合うって
ある人から聞いた事あるの。
馨くんと柄崎くんもそれかなぁ?」
「かもな。そいつすげぇー男らしい奴だな」
「うん、凄くかっこいい人だよ」と言うと
優しく花が咲くように麻希は微笑んだ。
その人を思い浮かべてるんだろうな、と
麻希の優しい表情を見てすぐに分かった。
(もしかして好きな奴…か?)
不良の先輩達がよく噂してた。
「麻希ちゃんは悶主陀亞連合 総長のお気に入り」
「滑皮さんの彼女」
噂は本当なのか。
麻希はお嬢様のような容姿で可愛いし
顔が可愛いから、隣に並んで優越感に浸りたいから、
という理由だけで告白する男も多い。
中には 滑皮秀信 と近付きたい、
悶主陀亞連合総長と仲良くなりたいと
利用するために麻希に近付く男も居る。
柄崎が真相を聞き出そうと口を開こうとした瞬間
タイミング悪く麻希は曲がり角を指差し
「柄崎くん、わたしこっちだから。また話そうね、またねっ」と
柄崎の帰り道とは反対の方へ歩き出した。
「あぁ、またな」
(また今度…聞いてみるか)