柄崎の初恋
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冷たい微風が2人の髪の毛を揺らしていく。
屋上の風を感じた後、柄崎は口を開いた。
「あー…で?その…話って…?」
(屋上…ってことは、人に聞かれたく無い話だよな…)
屋上に来ても中々麻希は話そうとしなかった。
余程、話しにくい事なのか、
ずっと下を向いてるので
緊張しながら柄崎から聞き出した。
「うん。えっと、あの…柄崎くんに…
話したい事があって…」
言葉一つ一つの間にゆっくりと時間が流れていく。
柄崎の心臓がドキドキと脈打つ。
(話したい事?ちょ、これは…告白か?告白なのか!?)
柄崎はポケットに入れてる両手を強く握り締めて
麻希の顔をじっと見た。
(やべぇ、可愛い。なんかいい匂いするし…)
「あの…馨くんどうなっちゃったの?学校で皆噂してたけど本当に鑑別所に行っちゃったの?」
「は?カオルくん?」
告白されるもんだと勝手に浮かれてた柄崎は
予想外過ぎて開いた口が塞がらない。
柄崎ははぁーとため息をつき
自分の浮かれてた気持ちを隠すように下を向き
フェンスにもたれた。
(カオルくん?って丑嶋のことか?
…つーか、俺今すげぇー恥ずいわ。1人浮かれてたわ。
つか丑嶋の話かよ。ンだよ。クソ!
つーか、馨くん…?は?名前呼びかよ?
この間も公園で話してたし…
どーゆー仲なンだよ、丑嶋ァ)
「ッア゛ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」と叫びたい気持ちを必死に抑え
冷静を装い、不安な表情を浮かべてる麻希に
鰐戸三兄弟の事を話し出した。
「あー…その、加納を助ける為に
丑嶋と鰐戸三兄弟に喧嘩売りに行ったンだけど…
丑嶋は三蔵の頭カチ割って鑑別所行き…」
卯咲月には刺激の強すぎる話だったかと
心配になり横目で何度も確認すると
下を向いて唇を噛み締めてる姿が見えた。
小さな手でぎゅっと鞄を握り締めていた。
「あ、悪ィ!こンな話…卯咲月にするような事じゃねェーよな!丑嶋も鑑別所に入ったけどサ、すぐ出てこれるだろーぜ」
「うん…教えてくれてありがとう」
「あー…、まぁ、そンな心配すンなよ」
気休め程度の言葉しかかけることが出来なかった。