柄崎の初恋
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丑嶋が鰐戸三蔵の頭をカチ割った…
その話題で学校中が大騒ぎだった。
放課後もクラスの連中に囲まれ
鰐戸三兄弟の話で盛り上がってると
クラスの男子に大声で呼ばれた。
「おい、柄崎ィ!!麻希ちゃんが呼んでるぞ」
「アァ!?卯咲月ィ?」
〝卯咲月 麻希〟といえば学校一可愛いと
男子生徒の間で有名な女の子だ。
あと不良の先輩達の間で
とある噂が囁かれてるのを耳にした事もある。
そんな彼女が一体何の用だろうか。
(まさか、告白…とか!?いや…有り得ねェーな)
心の中で1人ツッコミを入れ立ち上がった。
中学1年の時に廊下ですれ違った時、一目惚れした。
2年になってもクラスは違うし話しかける事も仲良くなる事も出来ず遠くから見てるだけだった。
周りからヒューヒューと茶化され
「おい、柄崎だけずるいぞ」
「麻希ちゃんからの呼び出しとか羨ましい」とか
野次がうるさいから「黙れ」と一瞥して
麻希の待つ廊下へと早足で向かった。
「お、おう。なンか用か?」
小っ恥ずかしい気持ちを抑え至って普通に話しかける。
「急にごめんね…えっ…と…」
中々、話を切り出せずにいる姿を見て
何故かこっちまで照れてくる。
「いや……、別に」
「柄崎くん…あの…、話したい事が…あって……その、」
甘酸っぱい雰囲気の2人に周りの視線が集まり
麻希は言いかけた口をぎゅっと閉じてしまった。
C組連中は面白がって、あと麻希と話したいらしく
前のめりで聞き耳をたてている。
注目されて恥ずかしいのか
長めの袖で口元を隠し下を向いていた。
「あ…え、と。ちょっと、屋上行かない?」
「あ、あぁ…別にいーけど」
「ごめんね、お友達と話してたのに…」
「いや、平気。ちょっと、鞄持って来るから待ってて」
「うん、待ってるね」とふわり笑う麻希に
目が釘付けになってしまった。
(…か、可愛い…!)