怖がりな君
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「で。何やってンの」とジロっと戌亥を睨む。
戌亥を睨む理由は2つ。
事務所で飲み会を開いてた筈なのに
何故か真っ暗にして蝋燭を付け
怪談話を勝手に開催してる事。
そして、戌亥が麻希を抱き寄せている事。
隣に座る麻希の腰に腕を回し抱き寄せている。
麻希はと言うと胡座をかいて座っている
戌亥の首に腕を回し「怖いー」と泣きついていた。
その麻希の腰にマサルが
倒れ込むように掴まっていて
マサルの腰には高田がくっ付いていた。
「まぁまぁ。そう怒らないでよ。丑嶋くん」
麻希の頭をぽんぽんと撫でると
戌亥の首から離れ、マサルと高田も体を起こし
体勢を整えた。
「丑嶋くんの帰りが遅いから皆で先に飲んでたんだけど
ノリで怪談話でもしようかってなってね」
「戌亥くん、話し方上手だから凄い怖かった!」
「あはは、途中で丑嶋くんの足音が聞こえたからさ
入ってくるタイミングを見計らって話してたんだよ」
「タイミング良過ぎ!心臓に悪ィッスよ、社長!」
「麻希もマサルもビビりよう半端ねェーな!」
柄崎は片手に缶ビールを持ち大爆笑している。
「だって、怖いんだもんっ…」
柄崎にそう言うと麻希は立ち上がり
丑嶋の手をぎゅっと握り引っ張った。
「馨くん、隣、来てよ〜」
「ふーん。そんな怖ェなら俺も聞こ」
ワイワイ騒いでる柄崎達を見て
引っ張られるがままに麻希の隣に座った。
「丑嶋くん…ホント麻希ちゃんには甘いんだねぇ」
缶ビールを渡し戌亥はコソッと話した。
「ア?おめェもだろ、戌亥」
柄崎が電気を消し、再び事務所は
真っ暗になりしーんと静まり返った。
「え、と…じゃあ。これは本当にあった話なんだけど…」
コホンと咳払いをして声のトーンを引くして
戌亥は再び怪談話を始めた。