怖がりな君
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「誰も居ない筈の廊下からコツコツと音が聞こえてきて」
戌亥の言葉に全員が息を呑んで真剣に話を聞いてる。
「女の声が聞こえるんだ、私の子どもはどこ?って…
そしてゆっくり扉が…」
戌亥はそこまで言うと目の前に置いてる蝋燭を
じっと見つめ、黙り込んだ。
その場に居る全員もつられて蝋燭の火を見つめる。
窓も扉も全て閉めているのに
ゆらゆらと蝋燭の火が揺れ始める。
何処から風が吹いているのだろうか。
戌亥は視線を上げゆっくり口を開いた。
「…扉がゆっくりと開いて、女はこう言った」
キィィ…
戌亥の言葉に促されるように
突然、事務所の扉がゆっくりと開き
ドスの効いた低い声が響いた。
「…何してンの?」
「「「ぎゃぁぁぁぁぁあああ!!!!」」」
「あははははは!!ナイス、丑嶋くん!」
先程の声色とは全く違い
戌亥はお腹を抱えて楽しそうに笑ってる。
「社長ォ!!お疲れ様です!」
柄崎の言葉に応えることは無く丑嶋は慣れた足取りで
事務所の電気のスイッチを付けに行く。
ぱっと事務所が明るくなり眩しい。
丑嶋はゆっくり見渡し状況を確認する。
来客用のソファーとテーブルを端に寄せて
広く空いた真ん中に蝋燭立てを置いている。
その周りで柄崎と麻希、マサル、高田、戌亥が
連なるように引っ付いてる様子を見て
丑嶋は呆れため息をついた。