遠恋
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「ん、じゃあ頼むな、戌亥」
「分かったよ、丑嶋くん」
「…ところでさァ」
戌亥はココアシガレットを口に咥えながら
通話を切ろうとしてる丑嶋を止めた。
「…忙しいからお好み焼き屋は行けねぇぞ」
丑嶋率いるカウカウファイナンスは
設立したばかりで柄崎、加納と3人しか居ない。
一癖、二癖もある債務者からの回収には時間がかかる。
朝から夜遅くまで休みもほぼなく
金を貸付け、回収しにあちこち
新宿の街を走る日々だった。
「知ってるよ。あのさ、昨日麻希ちゃんに会ったよ」
ココアシガレットをポリポリ食べながら
戌亥はゆっくりと話し出した。
「…あっそ。お前連絡とってンの?
あいつ今なにしてンの?」
「ふふっ。まぁーね。麻希ちゃんも同じ事言ってたよ」
丑嶋の言葉を聞いて麻希との会話を思い出し
思わず笑ってしまった。
「そんなに気になるなら会えばいーじゃん」
「俺から突き放したのに今更会えるかよ。
つーか、もう縁切った」
丑嶋は淡々と話す。
「意固地だなァ…丑嶋くんは。
麻希ちゃん 病院の受付してて
大変そうだけど元気にしてるよ。
あと、丑嶋くん達も元気にしてるって
伝えたら嬉しそうにしてたよ」
「ふーん。」
興味無さそうに丑嶋は返事をしてるが
電話越しの戌亥には麻希の様子を聞けて安心したようにも聞こえた。