汚いヤツと綺麗な宝石
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「柄崎…てめぇ…何してンの」
物凄い殺気を放ち丑嶋は柄崎を睨む。
眉間にシワを寄せ過ぎて青筋ができてる。
丑嶋の視線の先には抱き合ってる柄崎と麻希が居た。
ぎゅっと柄崎にしがみついて
丑嶋の声が聞こえても何故か麻希のその手は
離れようとしなかった。
それに加え、ずっと「たかあきくん、はやく」と
甘えた声で名前を呼んでる。
「え、えぇ…と。社長ォ…」
真夏の暑いせいで汗が出るのか
冷や汗なのか分からないが
柄崎の手と背中に汗がじわと滲む。
柄崎は顔を引き攣らせ
社長になんて説明しようか…と言葉を必死に探す。
(つーか、何を言ってもやべェよ…)
事の始まりは…2時間程前…
まだ夏の暑い陽射しが窓から入ってきて
クーラーを付けてても暑い時間帯。
革椅子に座り事務所をぐるっと見渡した
丑嶋は眉間にシワを寄せ盛大な舌打ちをした。
「社長ォ、どうしました?」
「汚ェ…」
雑居ビルの一室、カウカウファイナンスは
闇金融業とあって借用書、個人情報や
弁護士からの書類、戌亥が持ってきた資料
写真等の沢山の書類の山で
デスクも棚も埋もれてる。
更に奴隷くんから回収したゲーム、漫画
奴隷くんを可愛がる大量のタバスコや輪ゴム
柄崎特製奴隷くん専用乳首挟みが
部屋を占領していて散らかっていた。
おまけにゴミ箱からゴミが溢れてる。
もちろん、丑嶋のデスクの周りだけは
綺麗に整理整頓され埃1つ落ちてない。
受付嬢兼掃除担当の小百合が
10日間程前にタイへ旅行に行ってしまい
男だらけの事務所…
物凄く汚くなってしまった。
(こうなるのも当然と言えば当然か…)
小百合以外、集金、貸付、催促の電話で
忙しいので誰も片付ける時間はほぼ無い。
丑嶋はため息をついて
「マサル、今から事務所の掃除しろ。
俺が戻るまで綺麗にしとけよ。
あと埃1つでも残ってたらタバスコな」と
言い残して加納と集金へと出て行った。