独占欲と嫉妬
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目的は終わったのだが麻希が
ウインドウショッピングを楽しんでるので
丑嶋も仕方なく付き合ってあげる。
ふっと横を見ると麻希が見当たらない。
(どこ行ったンだ…)
後ろを振り返り麻希の姿を探すが全く見つからない。
(チッ…ここで待つか)
180cm以上の身長に加え
Timberlandの厚底ブーツも履いてるし
体格もいいので人混みの中でも目立つ。
すぐに見つけられるだろうと思い
壁に寄りかかって麻希を待つことにした。
目の前の人の流れをじっと眺めて人間観察をしてると
視界の隅で歩いてる麻希を見つけた。
人混みの中でも麻希だけは一層違って見える。
周りに花でも飛ばしてるのかというくらい
ふわふわと優しい雰囲気を纏っている。
通り過ぎる男の人がチラチラと麻希の顔を見ては
「可愛い」「芸能人?」「1人かな」等と
コソコソ話してるのが嫌でも聞こえてくる。
予想通り丑嶋の事をすぐに見つけて
笑顔で「馨くん〜ごめんね」と手を振って
駆け寄って来た。
丑嶋の顔を見るなり丑嶋の眉間にツンと指を当てて
心配そうな顔をしてる。
「怖い顔してどうしたの?怒ってる?」
麻希に言われて気付いた。
無意識に眉間にシワを寄せてたらしい。
「…別に」
「可愛い」「1人かな?」と言う男の雑音が
耳から離れない。
人の話し声も店員の声も館内アナウンスも
丑嶋の耳に入ってこず、ずっと男の雑音が
頭の中で繰り返される。
(…麻希を見るのは俺だけでいい)
眉間のシワを撫でながら大きい瞳で
見上げてくる麻希の唇にそっとキスをした。
麻希の顔がぶわっと赤くなって
固まってる姿を見て鼻で笑ってしまう。
隣で顔を真っ赤にして恥ずかしそうに
下を向いてるのて
「麻希がふらふらとどっか行くからだ」と
悪戯に笑った。
「ごめんなさいっ…あ!あのね、見てこれ」と
小さな紙袋から取り出したのは
綺麗な桜色のガラスで造られた小さなうさぎの置物。
2匹のうさぎが向かい合ってて
キスをしてるように鼻と鼻が触れている。
「一目惚れして…つい買っちゃった〜」と
ニコニコしながら置物を見せてくれた。
「うーたんと麻希みてぇだな」
うさぎを抱き上げて鼻を近付けいつも匂いを
嗅いでる麻希の姿と重なり自然と口元が緩む。
「えっ!?わたし?」と頭にハテナマークを
浮かべて首を傾げうさぎの置物と睨めっこしてるので
「行くぞ」と言って手を繋ぎ歩き出す。
麻希は照れながらぎゅっと握り返した。