初恋
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作とは違う設定があるかもしれません
原作に描かれてない設定は
勝手に作り上げてます
▽原作で新たな情報が入ればその都度
編集します
▽夢主
幼なじみ
ふんわり愛され系女子
過去の話は長編と短編で
少しずつ触れていきます
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入院してから1週間程経つ。
体の傷はまだ治ってないが充分動けるし頭も痛くない。
入院費も馬鹿にならないので
「お金ないし、退院します」と言って
勝手に病院から出てきた。
(…ふわふわしててうさぎみてぇなヤツ)
ふとした時に麻希の笑顔が思い浮かぶ。
瞼の裏に張り付いたお日様のように笑う麻希を
消すかのようにぎゅっと目を瞑りゆっくり目を開ける。
怪我のせいとかじゃなくて何故か麻希の事を考えてると胸の所が少し痛いから。
(ふぅ…ま、いいや)
今は、そんなことより体を鍛えて強くなって
C組の奴ら、全員ぶちのめす。
そう決めて学校にも行かずトレーニングする毎日だった。
カラスが鳴き出した。夕方になり、ちらほら
公園にも子どもや学生達が集まってくる。
ランニングを止めてブランコに乗って
遊んでる子ども達をぼーっと眺めてると
「丑嶋くんっ!」とこっちに向かって
女の子が走って来た。
「びっくりしたー!公園の前、歩いてたら
丑嶋くんが居るんだもん」
遠くにいるのに声で誰か分かる。
耳から離れる事は無い、可愛い声で
名前を呼ぶのは麻希しかいない。
「よォ、麻希」
「あれ?もう退院したの!?」
「あぁ。治った」
そう言うと麻希は目をぱちくりさせ
湿布や包帯が巻かれてる腕や顔をじっと眺めてきた。
「まだ痛そうだよ?」
「平気。筋トレしてても痛くねェーし」
納得したのか「そっかぁー」と返事をして
隣のブランコへ座りゆらゆらとこぎ出す
麻希をじっと見つめる。
ふわ〜とした雰囲気を纏っていて
話し方も穏やかでのんびりしてる。
男性の理想を詰め込んだような
如何にも女の子、というような子だ。
幼く可愛い顔立ちをしているが
ふと見せる表情はどこか凛としている。
丑嶋の視線に気付いた麻希は
にこっと微笑んでブランコを思い切り漕ぐ。
風がフワッとリズムを刻むようにふき
その度に少し短めなスカートから白く細い脚が見え
膝や太ももにいくつか痣が出来てるのに気付いた。
「麻希、脚…どうした?」
「あ…なんでもないよ」とふわりと微笑み
ブランコをゆっくり止めた。
「なんでもなくねェーだろ。…殴られたのか?」
転けたにしてはそんな幾つも痣が
出来ないだろうし、誰かに殴られたとしか
思えない。
「大丈夫だよ」
麻希はブランコからぴょんと降りて
公園の時計を確認する。もう18時になる。
「あ、そろそろ帰らなきゃ」
「…送る」
「ふふっ、ありがとっ」
(何も言いたくないなら、そっとしとくしかねぇか)