ヤミ金くん
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作とは違う設定があるかもしれません
原作に描かれてない設定は
勝手に作り上げてます
▽原作で新たな情報が入ればその都度
編集します
▽夢主
幼なじみ
ふんわり愛され系女子
過去の話は長編と短編で
少しずつ触れていきます
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1軒目の居酒屋を出た柄崎と高田は
丑嶋との待ち合わせ場所へと移動した。
「ションベン、ションベン」と千鳥足で
柄崎はトイレを借りに
近くのバッティングセンターへと入って行った。
丑嶋と柄崎を待ってる間、高田は柄崎から聞いた話を
頭の中で整理して一つ一つ心の中で留めておく事にした。
誰に話すわけでも、直接本人に聞く事も
出来なそうだから。
ブブブ、ブブブ…
(あ…社長から)
〝もう着く。麻希も行きたいってゆーから連れて来た〟
丑嶋にメールの返信をしてしばらく待つこと数分後
「おーい!高田くーん」と可愛いらしい声が
後ろから聞こえ振り向くと大きく手を振ってる
麻希と丑嶋が歩いて来た。
「柄崎は?」
「トイレに行きました」
「あっそ」
「ねぇ、馨くん、戌亥くんのお好み焼き食べたい」
麻希はしゃがんで煙草を吸ってる丑嶋の
横にぴたっと寄り添って袖をぎゅっと掴み話しかける。
「前も食べたじゃん」
「また食べたい、美味しいもん。
あのね、豚玉にチーズトッピングして…」
柄崎の言葉がふわふわと楽しそうに話してる
麻希の姿と重なった。
『父親に殴られてる所を丑嶋社長が助けたンだよ』
『そんな酷い虐待とかじゃねェって麻希は言ってたけどな。社長は麻希を助けたンだぜ、そりゃ社長に惚れるよな』
『その後、父親は確か…自殺したって聞いた』
丑嶋、柄崎、麻希の中学時代の濃い話を
聞いて高田は衝撃を受けた。
(なんか想像つかないなぁ…そんな事があったなんて)
高田の視線に気付いた丑嶋は
「なに?高田もお好み焼き食いてェーの?」と
怪訝そうな目をむけた。
「高田くんも食べたいの?美味しいよねっ」
ふふふっと子どもっぽく笑う麻希に
話しかけられ高田は「え…うん、そうだね」と
ぎこちなく返事をした。
(…極々、普通の家に生まれたんだと思ってた…)
普段の柔らかい雰囲気を纏ってる麻希からは想像つかない。
そんな辛い過去があったなんて。
そう言えば、債務者の話題になった時に
嫌な顔ひとつせず話を聞いて的を得た発言をしている。
冷たい一面もあるんだと内心、驚いていたが
辛い過去を経験した麻希にとっては
身近な事だったのかと高田は1人納得した。
時折、寒そうにして丑嶋の腕にぎゅっと引っ付いて
丑嶋の体温で暖をとってる麻希の方に
無意識と目線がいき
「オイ、見過ぎ」と丑嶋に睨まれてしまった。
「馨くん、高田くんもお好み焼き食べたいって!
お好み焼き決定だねっ!」
「ん」と短く答えると丑嶋は再び煙草を咥え
フーっと煙を吐く。
麻希の方に煙がいかないよう風下で吸ってるのは丑嶋の優しさだろう。
「便所長ェーよ!うんこ野郎!」
「社長ォ〜」と気持ち悪い声を出してうんこ野郎と呼ばれた柄崎が犬のように喜んで飛んでくる。
小百合とマサル、加納も呼んで麻希と7人で
戌亥のお好み焼き屋へと向かった。