再会
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作とは違う設定があるかもしれません
原作に描かれてない設定は
勝手に作り上げてます
▽原作で新たな情報が入ればその都度
編集します
▽夢主
幼なじみ
ふんわり愛され系女子
過去の話は長編と短編で
少しずつ触れていきます
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ハァハァと息をきらしながら走る。
少ない街灯を頼りに暗い夜道を必死に。
足がもつれ何度も転けそうになるが
すぐに体勢を整え、掴まれないように
振りほどいては、見ず知らずの男から逃げる。
「おい!待てよぉ」
「俺らと遊ぼーぜ?」
ひゃはは!と笑い声と共に下品な言葉が飛び交う。
2人の男達がしつこく追いかけてくる。
(はぁっ!…最悪…!)
心の中で悪態をつきながら少し前の事を思い出す。
職場の飲み会からの帰り
普段とは違う帰り道を歩いてると
突然、ガラの悪い男達に声をかけられた。
「うわ!めちゃくちゃ可愛いじゃん」
「やべーな!きみ芸能人!!?」
2人の男達が私を挟み両隣りに立った。
真っ暗闇の中ガラの悪い男達に
囲まれ頭が真っ白になるがすぐに
頭の中で危険信号が鳴り響いた
(逃げなきゃ!)
「おい!こらぁ!シカトすんじゃねぇ!」
2人のうち1人の男が叫び出した。
ハッと我にかえる。
ガタン…… ガタン……
電車の走る音が聞こえてきた。
遠くには線路が見える。
(あそこを曲がれば駅から近い大通りにでる!
コンビニや居酒屋がたくさんあるし
人通りも多いはず…!)
しつこく追いかけてくる男達から逃げようと
必死に頭を回転させて足を動かし走る。
ドンッ…!
曲がろうとしたその時、何かにぶつかった。
慌てて顔をあげると暗闇の中、鋭い眼光と目があった。
黒いパーカーを着た大きい男の人。
暗くて顔がよく見えないけどすぐに頭が理解した。
私の会いたかった人…。
「おい、そこの黒い奴どいてくんなぁい?」
「この子と遊んでるんだけどー」
1人の男が麻希の手首を掴もうとするが
黒いパーカーを着た大柄の男は
その汚い手から守るように麻希の前に立った。
「…遊んでるようには見えねぇーけど」
彼の低い声が暗闇に響く。
「ンだと!!おらぁ!!!」
怒号と共に1人の男が殴りかかってきた。
しかし、大柄の男は表情一つ変えず、瞬きもせず
男の腕をいとも簡単に掴み取り、腕をひねりあげた。
「いっ!…い、いてぇ!!」
「あ?おい、こいつ……、」
腕には自身のあるといつも豪語していた連れが
情けなく悲鳴をあげる姿を見て、大柄の男が
新宿で有名なあの闇金業者だと、気付いた。
「ウシジマ……!!」
怯えながら呟く。
「…なンだよ」
名前を呼ばれた丑嶋は低く返事した。
捻りあげた腕を離してやると、肩を痛めたらしく男は片方の手で肩をおさえ、呻き声をあげながら地面にうずくまってしまった。
「お、おい、おい!!行くぞ!こいつに関わるとやべぇらしいぞ!」
「……クソっ」
連れの上半身を起こし、無理矢理引きずり
2人の男達は一目散に慌てて逃げていった。
一瞬の出来事に頭がついていかない。
私は彼の…丑嶋馨の大きな背中に守られたまま
その場から動けなかった。
2人の男達が見えなくなると
丑嶋は何事もなかったかのように歩き出す。
数メートル先には彼の愛車だろうか
エルグランドがとまってる。
「あ…待って」
私は咄嗟に丑嶋の袖を引いてしまった。
「馨くん…だよね…?」
名前を呼ばれた丑嶋は睨むように麻希を見て
何も言わずに再び歩きはじめてしまった。
「助けてくれてありがとう」と
彼の大きな背中に声をかけたのだが
「社長ォ!!どうしたンすか?」と突然の
大きな声にお礼の言葉は消されてしまった。
坊主頭の強面の人は「社長ォ!」と呼びながら
車を降りてこちらへ歩み寄ってくる。
強面の人は片眉を上げ麻希に気付いたが
丑嶋に「行くぞ」と言われ
2人してすぐに車に乗ってしまい
丑嶋を乗せた車はもう見えなくなってしまった。