私のパンツがありません!
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ここはとあるBar…を装った敵連合アジト内。
私を含めたメンバー数人で、テーブルを囲んで座っていた。
『みんな…今日は集まってくれてありがとう』
神妙な顔付きをした私が静かに開口すると、それに最初に反応したのは荼毘だった。
「何だよ改まって」
『実は、みんなに相談がありまして…』
「どうした、相談なんて珍しいな?しょっちゅうじゃねぇか!」
仁くんがいつも通りごちゃごちゃ言っている。
これに関しては気にしないでおこう。
『いや、ほんと大したことじゃないんだけどね…?でも困ってるから、聞いてもらってもいいかな?』
「勿体ぶるなぁ…俺はそれよりモカと風呂に入りたい」
『知らん入らん』
真顔でそう言ったのは弔くんだ。
ぴしゃりと私が言い切ると、彼は小さく舌打ちをした。
「フフ、弔くんフラレちゃいましたね…♪」
「うるさい」
そう言って、弔くんをいじるのはトガちゃん。
彼女は私の隣でナイフを研いでいる。
「モカちゃんとお風呂に入るのは…このトガです!」
『入んないよトガちゃん』
私がそう言うと、トガちゃんは不貞腐れたように唇を尖らせた。
私だって可愛い女の子とお風呂に入れるのは凄く嬉しい。
でも、まだ死にたくない。
以前一緒にお風呂に入る流れになった時、
"モカちゃん、色白で素敵です…カァイイ…"
"血出てた方がもっと綺麗だよ…!"
って切り刻まれそうになったから。
丸腰で彼女と居るのは危険なのだ。
いや、その話はとりあえず置いておこう。
『そ、それでね。実は…』
「「「…」」」
私は大きく息を吸い込んだ。
『昨日の夜ベランダに干してた、私の…パ、パンツが失くなってたの!』
「「「…」」」
声を大にしてそう言うと、一瞬の静寂の後…
「「「パンツ!!?」」」
みんなが口を揃えて聞き返してきた。
『うぅぅ…!恥ずかしくて死にそう…恥ずか死する…っ』
だからみんなに言うか言うまいか迷ったんだ。
私は自分の顔や耳に熱が篭もるのを感じた。
「待て、その顔すげぇ好きだ」
『それは聞いてない』
荼毘はちゃんと人の話聞いてたんだろうか?
「まさか…盗まれたんですか…!?」
トガちゃんの肩がワナワナと震えている。
『いつも通り干してただけだから、そこまで気にしなくても大丈夫かなって思ってたんだけど…起きてベランダに出ると失くなってて…』
「それヤバくねぇか!?至って正常です!」
『やっぱりヤバいよね…私のパンツなんて盗む価値ないのに…ハァ…』
私が肩を落とすと、いや、と声が上がった。
「盗む価値はある!ねぇよ!」
「世の中には物好きも居るってこった」
「お前は魅力的だ…お前のパンツがほしい男は山ほど居る!」
「女も居ます!…ここに!!」
そうだ。
テンパってすっかり忘れてたけど…
この人達、変態だったわ。
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