雨の中キュンとする瞬間
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【濡れないように傘の下で身体を引き寄せられた時】
「何もしねぇって、だからほら入ってきゃいーじゃん!」
『だから大丈夫だっての…!』
只今靴箱前にて、上鳴くんと私は傘の押し付け合いをしています。
この傘は私の物だ。
帰り際、傘を忘れた彼に会い、傘を貸すと言えば彼は一緒に入ろうと言う。
一緒には入らないと言えばじゃあ俺も入らないと言う。
私が走って帰るため傘は不要だと言えば自分が走ると言う。
いい加減帰りたい。
「んじゃーこうしよう!傘は借りる!カフェも借りる!これで相合傘OKだろ!」
『何がOKなの!?』
傘と私の手首を片方ずつ持ち、彼は何やら嬉しそうにしている。
私がここまで相合傘を拒否するのは勿論恥ずかしいからだ。
かと言って彼を置いていくことも出来ない…。
彼は"自分を警戒されてる"と思っているようだけれど、全くそんな心配はしていないのだ。
「つべこべ言わねーの!…ほら帰ろうぜ!」
手首を引かれて雨空の下へ出たかと思えば、彼が傘をしっかりと持っていてくれたため濡れることはなかった。
『むー…』
渋々彼の隣に並んで足を進める。
私の傘は小さいようで、傘からはみ出した肩が少しずつ冷えていくのが分かる。
「なぁ、そんなに俺と相合傘するのイヤ?ちょっと傷付くんだけど!」
『い、嫌とかじゃなくて…恥ずかしいっていうか』
ボソボソと俯き加減で答えると、彼は面白そうにニヤニヤし始めた。
「嫌じゃねーんなら、これも問題無いよな!」
ぐっと腰を引き寄せられ、私は自分の頬が赤くなるのを感じた。
(やっべー、これ俺超恥ずかしいやつだ!カフェが近い!)
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