抱き締めてルピナス
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ピンポーン
『はーい』
休日、家でのんびり過ごしていると突然インターホンが鳴った。
玄関の扉を開けてみるとそこには…
『…た、環くん…?』
「…」
彼氏の環くんが立っていた。
今日は会う約束してたっけ、なんてぼんやり考えながら彼を自宅に招き入れる。
いや、お休みの日にこうして彼に会えたのは凄く嬉しいんだけど、急だったから何も用意していない。
何より、彼が連絡も無しにやって来ることが珍しかったので驚いた。
『うーん、お菓子何もないや…コーヒーでも良い?』
「…うん」
『ちょっと待っててね、すぐ用意するから!』
今日は家に一人だし、リビングで環くんに待っててもらおう。
私はリビングに環くんを残し、キッチンでちゃっちゃと飲み物の準備をする。
『(環くん、いつもより浮かない顔してたな…何かあったのかなぁ)』
「モカ…」
ぼんやりと考えていると、環くんがふらりとキッチンへやって来た。
『あ、もうちょっと待ってね。まだコーヒー出来てな…』
「…」
言い終わる前に、後ろからぎゅうっと抱き締められた。
『…!?』
かぁあっと顔中に熱が集まるのが分かる。
ふんわりと彼のにおいが鼻を掠めた。
環くんが…近い…!
『えっと…あの…環くん』
「ん…?」
グリグリと私の首元に頭を押し付けてくる環くん。
『どうかしたの…?何かあった…?』
私の身体を抱き締める環くんの手に、私は自身の手を重ねた。
すると環くんは私の身体を抱く腕に力を込め、ゆっくりと口を開く。
「なんとなく…今はこうしていたい…」
『うっ…ンン゙…!』
心臓がズキュンと音を立てる。
素直に甘えてくる環くんが可愛くて仕方無い。
『あはは、でっかい赤ちゃんみたい』
「…赤ちゃんじゃない」
『え〜?可愛いのにぃ』
「可愛くない」
ムッとむくれているのに、身体は離さないところも可愛い。
『ごめんごめん』
私は出来たコーヒーをふたつのカップに注いだ。
すると環くんはスッと身体を離し、カップを持ってくれる。
『あ、リビングまで持ってってくれるの?ありがとう〜!』
「うん…」
環くんにお礼を言うと、彼は照れ臭そうに少しだけ笑った。