触れた手、熱い指
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『わーほんとだ、凄いね!アジアンな感じ!』
改めて、俺の部屋に入ったカフェは室内をぐるりと見渡している。
やべぇ、なんかいきなり緊張してきた。
「へっへー、どーよ?」
『オシャレ~!』
「オシャレだろ!」
『オシャレ~!!』
変に緊張して、内容の無い会話を続けてしまう。
やべ、これじゃカフェ、すぐ帰っちまう。
もっと話してェのに。
何か無いか、何か…
『うわ、これってハンモック!?』
カフェの声にハッとする。
声のした方を見てみると、カフェは部屋の中央辺りに置いてあるハンモックを眺めていた。
「あ…あぁ、それな!そうだぜ、ハンモックだ」
『ハンモック使ってる人初めて見たよ~!しかもこれ自立式じゃん!』
わぁ~と声を漏らしながら、ハンモックを触るカフェがなんかもうマジで可愛い。
「座ってみっか?」
『え、良いの!?』
「んなトコ、ケチんねーよ」
俺はカフェに苦笑して見せる。
『じ、じゃあ…失礼します』
言いながらカフェはハンモックに手を付いた。
『…』
「…」
『ねぇ瀬呂くん…』
「ん?」
『これ破れたりしないよね?』
「お前ハンモックを何だと思ってんだ」
まぁ最初は怖いもんなのか。
布が宙ぶらりんな状態だもんな。
『…』
カフェは少し俯いている。
「ん、もしかして…こえーの?」
『怖いとかじゃないけど。なんか新鮮だからさぁ』
「しゃーねェなぁ~…」
中々ハンモックに腰掛けようとしないカフェを見兼ねた俺は、後ろ手で頭を掻いた。
そして…
「ん!」
『わっ…』
俺は自然にカフェの両手を取った。
「俺が支えててやっから、ちょっと座ってみ?」
自身の手の中に収まるカフェの手を見て、我ながら大胆だなぁなんて思う。
『あ、う、うん。ありがと…』
カフェは言いながら、ゆっくりとハンモックに腰掛けた。
『わぁ、破れない…!良かった…!』
「(カフェの手、ちっせェな…俺の手の中にすっぽり収まってる…)」
『?…瀬呂くん?』
「(触り心地も気持ち良い…女子ってスゲー…)」
『…』
「(もっと触ってみてェ~…柔らかそ~…)」
『せ、瀬呂くん!』
「んぁ?」
少し上擦ったカフェの声に顔を上げる。
やべぇ、ぼーっとしてた。
俺が顔を上げると、顔を赤くしたカフェと目が合った。
あまりにも手の感覚を楽しみ過ぎていたみたいだ。
そんなカフェの顔を見て、俺はまたハッとする。
「あ、ワリ」
『う…うぅん』
俺はパッと手を離した。
やべぇ、変な風に思われたか…?
もっとカフェに触れていたかった…けど!
「(とりあえず、なんかフォローしねェと…!)」
俺が必死に脳を回転させていると…
『瀬呂くん、手おっきいね』
カフェはこちらを見て、照れたように笑っていた。