触れた手、熱い指
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
入寮後、部屋王を決めた俺達。
俺は割と本気で自分が優勝すると思ってたんだが、優勝は砂藤に持って行かれちまった。
「ハァ~…部屋王優勝、自信あったのにな~…」
『うわ瀬呂くん、でっかい溜め息だねぇ』
「ん?あ、カフェか」
教室で一人項垂れていると、クラスメイトのカフェが近くへやって来た。
『部屋王は残念だったね~…でも、瀬呂くんの部屋凄かったんでしょ?みんなから聞いたよ?』
カフェは俺の部屋を見ていない。
カフェはあの夜、先に寝てしまっていたため、部屋王決定戦には参加しなかったのだ。
「砂藤のシフォンケーキに負けたけどな」
『あはは、根に持ってんじゃん!』
「ちげーし、拗ねてんだし…」
わざと不貞腐れたように言ってみると、あ!とカフェが声を上げた。
『じゃあ今日さ、瀬呂くんの部屋行って良い?』
「…は?」
俺は項垂れていた頭を起こした。
カフェと目が合う。
『だめ?瀬呂くんの部屋、私も見てみたいなって思ったんだけど…』
「そりゃ構わねェけど…」
『じゃあ今夜行くね!んじゃ、また夜ね!』
「あ、ちょっ…」
カフェの背中に手を伸ばすのと同時にチャイムが鳴った。
「…カフェ、俺の部屋来んのか…!」
今日はさっさと帰って部屋片付けっぞ!
俺は一人意気込んだ。
***
「うっし、片付いたかな」
風呂もメシも片付けも済ませたし、いつでもウェルカムだ。
「…」
今夜はカフェが部屋に来る。
部屋に来るっつっても、変な意味は微塵も無ェ。
残念なことに。
たぶんマジで"見に来る"だけだ。
下手すりゃ、
"わぁ凄いね!"
"だろ?"
"うん、じゃあおやすみ!"
で終わっちまうかもしれねェ…!
「(うわ~何それ嫌だわ~…!おもんなさ過ぎて引くわ~…!)」
せっかくカフェが来んのに、そんだけってのはなんか寂しいっつーか。
誰だって、好きなヤツとなら長く一緒に居てェと思うもんだろ?
なんか面白ェこと考えとかねーと…
カフェがすぐに帰りたくなくなるようなこと、なんか…
「(面白ェこと、面白ェこと…)」
コンコン
『瀬呂くーん、居る~?』
何を思い付くより先に、カフェが来ちまった。