GIRLS DAY
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
***モカ視点
『うぅぅ…お腹が…』
私は寮の自室で横になり、誰へともなく一人呟く。
今日は月に一度のスペシャルイベント、ガールズデーだ。
しかも二日目、今日が一番重い日だ。
『(おぇ…お腹痛い…心無しか気持ち悪い…)』
ヒーローを目指す者が生理になんかやられてられない。
そうは思うものの、無理なものは無理だ。
イライラしたりダルさがあったりで、今日は上鳴くんや切島くん、瀬呂くんに当たってしまった。
彼等はいつも通り、私に話し掛けてきただけなのに…
仲の良いメンバーなだけに申し訳無い。
『(明日は今日よりもマシになってるはずだし、明日また謝ろう…)』
ブルッと寒気が走り、布団を身体に巻き付ける。
そして下半身のドロッと感。
この感覚がなんともまぁ気持ち悪い。
『(寒っ…なんかあったかいもの…あー、でもキッチンまで行くの面倒だな~…)』
あれこれ考えている間にもお腹が痛む。
お腹痛むと言うよりは、何て言うのかな…
子宮がドンドコしてる感じ…?
『(もういいや、今日は早く寝よう…)』
ぎゅっと目を閉じたその時。
ノックも無しに、ガチャッと部屋の扉の開く音がした。
『(鍵閉め忘れてた…誰、こんな時間に…)』
ダルさと戦いながらも私はゆっくりと目を開く。
廊下から漏れてくる蛍光灯の光が眩しい。
「…」
『あれ…爆豪くん?』
私が声を発したと同時に爆豪くんは扉を閉め、こちらへとやって来た。
「おい、起きろ」
『…起きてますぅ~…』
彼も仲が良いメンバーの一人だ。
…と、思ってる。
わざわざ部屋まで、どうしたんだろう。
彼は普通に話してても突然怒鳴ったりする上に、その怒鳴り声は脳の芯まで響く。
出来るだけ大声を上げさせないようにしなきゃ身がもたないぞ。
『どうしたの…?』
「身体起こせ」
『なん…』
「良いから起こせっつんだよ、あぁ゙?」
少し声を荒げた爆豪くんに、これ以上大声を出させまいと私は重い身体を無理矢理起こす。
そこには不機嫌そうな顔をした爆豪くんが、マグカップを持って立っていた。
マグカップからは湯気が出ている。
『なんかいいにおい…』
「ん」
爆豪くんはぶっきらぼうにそのマグカップを私に突き出してくる。
それを受け取って中を覗き込めば…
『たまごスープだ…!』
美味しそうなたまごスープ。
ほんのり優しい香りが部屋に満ちている。
『これ爆豪くんが作ってくれたの…!?』
「うっせ。冷めんだろ、黙ってはよ飲めや」
『あ…ありがとう~…!』
わざわざ爆豪くんが私のためにスープを作ってくれたことを考えると、なんだか飲んでしまうのがもったいない気がする。
でもちょうどあったかいものが欲しかったし、ここは爆豪くんの好意に甘えてスープを頂こう。
『いただきます…』
数回息を吹きかけて少し冷ました後、マグカップを口につけてスープを流し込んだ。
じんわりあったかい感覚が、身体の奥まで染み渡る。
『ふぅ…美味しい…♪』
スープのあたたかさが安心感や落ち着きを与えてくれ、私は思わず顔が綻んでしまう。
爆豪くんは表情を変えないまま、私のその一連の流れを見ていた。
『そう言えば、何でスープ作ってくれたの?』
「ハッ、あんだけあからさまにアピールされて分かんねェ方がバカだろ」
『うっ…悪気は無かったんだけどなぁ…でも女の子の日なんだもん、どうしてもしんどくてさぁ…』
鼻で笑われてしまったけれど、爆豪くんは女の子の日に理解があるようで助かる。
「…おい」
『ん?』
「お前じゃねェよクソボケ。そこのドアの前に居るお前等!鬱陶しンだよ、出て来いや」
爆豪くんの声に釣られて部屋の入り口の方を見てみる。
するとそこから顔を覗かせたのは、上鳴くん、切島くん、瀬呂くんの三人だった。