GIRLS DAY
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あの後、上鳴に謝らせたり、爆豪のせいかと聞いてみたり、切島に元気付けさせようとしてみたけれど、全て無駄に終わってしまった。
上鳴は軽くあしらわれ、爆豪はキレてどこかへ行ってしまい、切島は話し方が熱血過ぎて見ているこっちがしんどくなった。
そしてすっかり夜になった今。
寮の共同スペースで上鳴、切島、俺の三人は話し合っている。
話の内容はもちろん、カフェの様子についてだ。
「だぁーっ!もう何やってもダメなやつだろこれ!」
上鳴が頭を抱えて叫ぶ。
「つーか瀬呂、見てるだけじゃなくてお前も何かしろよ!」
「いやー。瀬呂くんはねぇ、思うことがあるんだよ」
「「思うこと?」」
上鳴と切島が小首を傾げる。
やめろ、お前等がやっても可愛くねぇ。
「カフェ、風邪なんじゃねーの?」
「あぁ~…!」
「なーる~…!」
俺の考えに、上鳴と切島は納得したようだ。
「言われてみれば確かにダルそうだったし、元気無かったな…」
「ん~…でも咳もくしゃみもしてなかったし、熱っぽい感じでもなさそうだったぜ?」
「あー、確かに…」
確かに切島の言う通りだ、風邪っぽい症状はなかったっぽい。
体調不良の類かと思ったんだけど。
でも、じゃあマジで何なんだっつー話だ。
「もう本人に聞くしかなくね?」
「いや、俺聞いたけど、"何でもない"とか"気にしないで"とか言われたぜ?」
「俺達には言いたくねェってことか…」
「「「うぅーん…」」」
三人寄れば文殊の知恵なんてことわざがあるが、俺達が考えても考えても正解は分からなかった。
「あ、爆豪!」
切島の声に顔を上げる。
何か飲み物を取りに来たのか、爆豪がちょうどやって来るところだった。
爆豪はキッチンの方へと歩いて行く。
「爆豪助けてくれ!」
「俺等じゃどうしようもねェんだ!」
「あ?」
「カフェの様子がなんかおかしンだよ今日~…」
「…」
俺達の言葉に爆豪は特に返事はせずに冷蔵庫を開け、ゴクゴクとペットボトルの水を飲んでいる。
そして何やら鍋に火を点けているようだ。
「今日俺等さぁ、超頑張ったんだぜ~?でも何でダルそうなのか聞いても結局教えてくんねーしぃ…」
「ま、風邪じゃねェみてーだし…案外、寝て起きたらケロッとしてっかもな~」
「明日また様子見るか?」
「んー、それが良いか…爆豪どう思う?」
切島の声に、上鳴と俺は揃って爆豪の方へと視線をやった。
爆豪は鍋をひと混ぜした後に火を消し、マグカップに何かを注いでいる。
「なんかいいにおい…爆豪、夜食か?」
「飯テロだ~!!」
「うっせェなァ!!」
辺りにふんわりといいにおいが漂う。
この優しいにおいは何だろうか。
考えている間にも爆豪はマグカップを持って、共同スペースを出て行こうとする。
「流石に爆豪も分かんねェよな。考えてもキリねェし、とりあえず今日はこの辺にしとくか!」
「あぁ!」
「そうだな!」
切島の声に、上鳴と俺は頷いた。
「…いっかい」
共同スペースの扉を開けながら、爆豪がぽつりと呟く。
「「「?」」」
「…月に一回、女子にはそういうんが来るんだろ」
俺等が何を言うより先に、爆豪は扉を閉めて部屋を出た。