赤いゼラニウムを抱えて
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『ほんとに良いの…?』
「うん!はいコレ」
試着した服は彼の好みだったらしく、レジでは尾白くんがお金を払ってくれた。
流石に私が着る物だし選んだのも私だし記念日とかでもないし、それは悪いと遠慮しまくったけれど、尾白くんは引いてくれなかった。
「ラッピング…とかはしてないし、プレゼントってほど大層なものでもないけど…」
『…ありがとう…嬉しいよ、尾白くん…!』
尾白くんの手からショップバッグを受け取り、私はそれを抱き締めた。
***
その後はたくさんのお店を見て回り、新しい服等を買った私達。
「あ、そろそろ帰る時間だね」
『ほんとだ…早いなぁ…』
尾白くんと過ごす時間は落ち着いていて居心地が良くて、すぐに過ぎ去ってしまった。
「家まで送るよ。…はい、貸して?」
尾白くんは既に両手に荷物を持っているのに、私に手を差し出してくれる。
『んーん、もういっぱい持ってもらってるし大丈夫だよ!』
「良いから」
彼はそう言いながら私の手から荷物を取った。
そしてすぐに、私の手があたたかいもので包まれる。
…尾白くんの、手だ。
「荷物持ってたらさ…繋げないし…」
『~~~っ…!』
繋いできたのは尾白くんだというのに、突然恥ずかしくなってきたのか彼の語尾が段々と小さくなっていく。
『…もう!尾白くん、好きっ!』
「へっ!?な、何、急に!?」
『急にじゃないよ、ずっと好きっ!』
私はそう言いながら尾白くんの手を握り返した。
赤いゼラニウムを抱えて
(カフェさんって…ずるいよなぁ…!)
(尾白くん、格好良い可愛い大好きだ~…!)
***あとがき
ゼラニウム(赤)の花言葉は"君ありて幸福"です。
尾白くんって何であんなに可愛いのだろうか。
マルシェ