ハジマリの日
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朝。
共に起床した私達。
軽く朝食を食べ終えた今、勝己くんは制服の袖に腕を通している。
そして私はそんな勝己くんを、ぼーっと眺めていた。
勝己くんは今から受験に行くんだ。
『(…行っちゃうんだ、雄英に)』
今は学ランだけど、四月からは雄英のブレザーを着るんだ。
『(…寂しい、な)』
受かってほしいけど実際受かったら寂しいという、矛盾してしまう自分の気持ちを抑え込もうとしていると…
私の視線を感じたのか、顔を上げた勝己くんと目が合った。
「…あ゙?なに見てんだコラ」
『ヤクザかな?』
「あぁん!?誰がヤクザだコラぶっ飛ばすぞ」
朝から威勢の良い勝己くんはこちらに向かって手を構える。
『ちょい待ち!ほら、今から受験なんだし体力温存しとかなきゃ!私なんかに"個性"使ってたら勿体無いって!』
爆破されたくない一心で私は必死に言い訳を並べる。
『そ、それよりもうこんな時間だよ?そろそろ行く時間でしょ?』
「…あぁ」
上手く話を逸らせたようで、勝己くんは構えていた手を降ろしてくれた。
そしてその手は学生鞄を掴む。
そろそろ本当に勝己くんの出発の時間だ。
『ウチに忘れ物無いよね?』
「あぁ」
忘れ物の確認をしながら玄関まで二人して歩いて行く。
『うわぁ、ちょっと冷えるかもね、今日…』
「かもな」
朝だから余計に気温が低いようで、私は少し身体を震わせた。
『…あ!』
靴を履く勝己くんを見ながら、私はひとつ閃く。
私は慌てて自室に戻り、とある物を掴んで再び玄関へとやって来た。
『勝己くん、これ!』
「…あ?」
靴を履き終えて振り返った勝己くんの首元に巻いたのは、私が普段使いしているクリーム色のマフラー。
私はそれを手際良く結ぶ。
『うん…女性用だけど全然違和感無いし、むしろ似合ってる!流石勝己くん』
「…余計なお世話だっつーの」
は?とか要らねェ!とか突き返されるかとも思ったけれど、勝己くんは意外にも受け入れてくれた。
『"合格しますように"って気持ち込めといたから。勝己くん、頑張ってね』
「…ハッ。合格以外、ねェわ!」
勝己くんは、私に背中を向ける。
『行ってらっしゃい!』
「おう」
扉が閉まる前に見えたのは、私の大好きな、自信に満ち溢れた彼の大きな背中だった。
ハジマリの日
(受かった)
(え?…おめでとぉおおおお!!流石勝己くん、やったね凄いね嬉しいよ~!!)
((この前の寂しげな顔は何だったんだよ…!))
***あとがき
アニメ一期を見直しながら、爆豪のマフラー姿見て色んな妄想しました。
あの色とあの巻き方、爆豪本人のチョイスだったらめちゃくちゃ可愛いですね。
マルシェ