君と微睡む昼下がり
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ある祝日の昼下がり。
コンコンと扉をノックする音が辺りに響いた。
「は、はいっ!?」
『出久くん、入るよ~』
ガチャリと扉を開けて出久くんの部屋に入ると、出久くんは驚いたような顔をしていた。
「どうしたの?モカちゃん」
『ん~、眠くて…』
「そっか…あ、嫌じゃなかったらベッド使って!」
そう言ってベッドを軽く整えてくれる出久くんの言葉に甘え、私はベッドに寝転んだ。
『う~ん…いいにおい、すぐ寝ちゃいそう…』
「ちょっ…においとか言わないで、恥ずかしいよっ…!」
顔を真っ赤にする出久くんの言葉を聞き流しながら、私は出久くんの布団に顔を埋めた。
『(出久くんのにおいだ…)』
ふんわりと香る優しいにおいに、段々と瞼が重くなってくる。
私はそのままゆっくりと瞼を閉じた。
「モカちゃん…寝た?」
『………んーん…』
「…」
『…』
「モカちゃん?」
『ん…』
「…」
『…』
特に用事は無かったのだろうか、出久くんは黙り込んだ。
それでも席を外した訳ではないようで、すぐ近くに気配と視線を感じる。
「…お疲れ様…」
ぎこちなく私の頭に手が乗せられたかと思えば、そのままゆっくりと頭を撫でられた。
その手から緑谷くんの優しさを感じて思わず頬が緩む。
『…へへ』
「な、なんで笑うの…!?」
『出久くん、優しいなぁって』
閉じていた目を開き出久くんを見てそう言うと、彼は更に顔を赤くした。
いつも思うのだけれど、出久くんってどこまで赤くなるんだろう。
今でさえ結構顔赤いと思うけど…。
『出久くん…』
「うん?なぁに、モカちゃん」
優しい眼差しで見つめられる中、私は彼の手首を掴んで私の頭からゆっくりと引き離した。
「あ、嫌だった…?」
頭を撫でられるのが嫌だったと捉えた出久くんは、眉尻を下げて悲しそうな顔をする。
「嫌だったならごめ…」
『うぅん、違うよ』
「へっ…?」
私はベッドの端に寄り、出久くんに向かって大きく両腕を広げた。
『一緒に寝よう?』