窓際のパンジー
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***緑谷視点
あの後モカちゃんは"また来るね"と一言残して帰って行った。
また僕は、上手く"個性"を使えなかった。
ワンフォーオールを譲渡されて、中々それを自分のものに出来ずにいる僕は、"個性"を使うとその反動のようなものでよくこう言った状態になる。
迂闊に使えないな、なんて最初は思っていた。
けれど出し惜しみをして人々を守れなければヒーローとして失格だと思うし、何より怪我をするとモカちゃんが僕を見てくれるんだ。
こうして毎回僕が大怪我をする度にモカちゃんはお見舞いに来て、泣きそうな顔で僕に縋りついてくる。
無茶しないで、死なないで、と縋るモカちゃんが可愛くて愛しくて、度々そんなモカちゃんを滅茶苦茶にしたい衝動に駆られるのだ。
僕がこんな風に思っているなんて知ったら、モカちゃんはどんな顔をするのだろう。
まぁどんな表情でも好きなんだけれど。
僕だけを見て、僕だけの心配をして、頭の中が、僕でいっぱいになればいい。
僕のことしか考えなくていい。
「モカちゃん…好きだよ…」
僕は包帯の上から、骨折している右手の指を力強く噛んだ。
おわり。