窓際のパンジー
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しばらく抱き合った後、私達はゆっくりと身体を離した。
『ほんと…毎回無茶し過ぎだよ…』
「僕のことは良いんだ。それよりも守れた人が居て、本当に良かった」
出久くんが自身の拳に視線を落とす。
ヒーローに憧れる彼にとって、人を敵から守れたならそれは本望なのだろう。
『でも、こんなになってるじゃん…いつもおっきい怪我してるじゃん…!』
私はまた彼の手を取る。
『私はもう、傷だらけの出久くんを見たくないよ…胸が痛い…苦しいよ』
少し泣きそうになりながらも、涙を堪えて、じっと出久くんを見る。
すると出久くんは私の頭をゆっくりと撫でてくれた。
それが気持ち良くて私は目を閉じる。
「モカちゃんがこんなに心配してくれるなんて、僕は幸せ者だなぁ」
どこか他人事のような口調で言う出久くんに、私は思わず顔を上げた。
『私は本気で心配してっ…』
言い切る前に、唇に柔らかいものが触れた。
そのまま角度を何度も変えて、キスを続行させられる。
息が苦しくなってきて顔を離そうとするも、いつの間にか私の後頭部に回された彼の左手により、キスから逃れることは出来なかった。
『…ん………ふ…っ』
「ん…」
やがてゆっくりと彼の顔が離れていき、やっと息が出来るようになる。
「モカちゃんにはいつも心配掛けてばかりで…申し訳無く思ってるんだ。本当にごめん…」
『出久くん…』
ずるい…そんな風に言われたら何も言えないじゃないか。
『うぅん、私こそしんどい時にごめんね…』
伏目がちになっていると、出久くんが私の右頬に左手を添える。
ちらりと出久くんを見ると、彼の顔がまたゆっくりと近付いてきた。
窓際のパンジー
(僕の心配をしくれるモカちゃんが、愛しくて仕方ない)
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緑谷が腹黒&歪愛気味ですので、苦手な方はここまでで!