眠れぬ夜に
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『…あのね』
しばらく目を閉じて何も言わないカフェくんを見ていると、彼女がゆっくりと口を開いた。
眠ったと思っていたが、彼女はまだ眠っていなかったようだ。
『本当はね…帰って欲しくないんだぁ…』
「帰って欲しくない…?」
カフェ君の言葉を繰り返した俺に、彼女はこくんと頷いた。
『…寂しい』
なるほど、そういうことだったのか…。
ならば何故初めからそう言わなかったのだろう。
見ての通り頭の固い俺には、それが何故なのかよく分からなかった。
今彼女が言った"寂しい"という気持ちは俺もよく抱く。
単純にカフェくんと話せなかったり予定があって会えなかったり、彼女がクラスメイトの男性と話しているのを見ていても寂しいと思う。
しかし彼女はいつもすぐにそんな俺に気付いて、笑顔でこちらにやって来てくれるのだ。
そんな彼女にいつも救われている俺が、彼女に寂しい思いをさせてしまうなんてことは、絶対にさせたくない。
『このまま傍に居て、飯田くん』
小さく控えめにそう言われ、俺は自分の胸が高鳴るのが分かった。
くすぐったいようなむず痒いような、そんな感覚。
俺はこの気持ちのやり場に困り、悩んだ結果、再度彼女の手を強く握り締めた。
眠れぬ夜に
(なんか引き止めるのに必死になってたら、眠くなくなってきた…)
(なん、だって…!?)
***あとがき
堅苦しい飯田くん好きです可愛い。
甘々展開に進みそうで進まない、どうすればいいのか分からない、そんな飯田くんがいいな。
マルシェ