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それは移動教室に向かうため、準備をしている時の出来事だった。
私が授業で使う教科書やノートを用意していると…
『…あれ?』
筆箱が無い。
ちょっとお手洗いに行って帰って来たら、私の机から筆箱が姿を消していた。
ロッカーや机の中、かばんの中を探し回るが見当たらない。
「モカ~?次、移動教室だよ!早く行こ~!」
『あっ…ごめん、先行ってて!』
「どうかしたの?」
『んーや、何でも!すぐ行くから!』
「あいよ~!」
友達はひらひらと手を振って先に向かった。
『あれ~…?』
思い当たる所を全て探してみたがやっぱり見つからない。
どこかに置いて来たのだろうか?
いや、お手洗いに行くまではそこにあったはずだし…?
『…??』
「…ククッ」
人が疎らになった教室内で首を傾げていると、後ろの方からクツクツと笑い声が聞こえて来た。
『!』
振り返ると、いくつか机を挟んだ後ろの方の机の上に爆豪くんが座っていた。
「所有物の置いた場所も分かんねェとかダッセェなァ!」
『なっ…爆豪くんには関係無いじゃん!』
いまだ笑いながらこちらを見てくる爆豪くんにムッとしてしまう。
「お探しの"筆箱"は見付かったのかよ?」
『!…何で私が筆箱探してるって知って…』
私がそこまで言い掛けると、爆豪くんはニヤリと口角を釣り上げた。
「当然だろ?ここにあんだからよォ」
そう言う爆豪くんの手の中にあったのは、まさしく私の筆箱。
私は爆豪くんの元へ駆け出した。
『か、返してよ!』
「ハッ!返してほしけりゃ取ってみな!」
爆豪くんは意地悪そうに笑いながら筆箱を頭上に掲げた。
『そういうのほんといいから!返して!』
「だァから取ってみろって!」
『もう授業始まっちゃうってっ…』
「そんなに欲しいなら返してやんよ、オラ取って来いや!」
ポイッと筆箱を投げられ、爆豪くんは先に教室を出て行ってしまった。
『うぅわ最悪!よりによってあんな所に…!』
掃除用具の入っているロッカーの上に放り込まれた自分の筆箱を見て、私は苦い顔をする。
『っしょ…っと…』
一番近い机をロッカーまで寄せて、その上に靴を脱いで乗っかる。
『取れた!けどめっちゃ埃付いてる…はぁ…』
筆箱に付いた埃を手で叩くと、授業開始のチャイムが鳴ってしまった。
『チャイム鳴ってるし!急がなきゃ~…!』
私は急いでその場を後にした。