06
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『…きてよ』
「あ?」
私は緑谷くんから離れて立ち上がる。
そのままゆらりと爆豪くんの方へと一歩歩み寄った。
『緑谷くんのノート!!拾って来てよって言ってんの!!』
私は勢い良く顔を上げ、お腹の底から大声を出して怒鳴った。
そのまま爆豪くんの胸倉に掴みかかる。
「っ!」
「カフェさん…!?」
「勝己!」
爆豪くんと緑谷くん、爆豪くんの友達は私の行動に驚きを隠せないようだ。
周りに残っていたクラスメイトも驚いている。
でも今はそんなことどうだって良い。
私は爆豪くんを睨み付けたまままた大声を上げた。
『アンタが!今外に投げ捨てたノート!拾って来るまで帰さないから!!』
「は…ハァ!?おめーにゃ関係無ェだろうが!」
掴み掛かる私の手を外そうと、爆豪くんは私の手首をガシッと掴んでくる。
『(痛っ!…けど…!)』
私は爆豪くんの胸倉を掴む自分の手に力を込めた。
『関係ある!緑谷くんの…友達だから!!』
「!」
「っ…うるせェ!!」
爆豪くんは大きく私の手を振り払った。
その反動で身体がよろけて床に倒れ込んでしまうが、緑谷くんが後ろから支えてくれる。
「カフェさん、大丈夫!?」
『緑谷くん…大丈夫だよ、ありがと』
緑谷くんがあまりにも焦ったように私を見るから、にこりと笑い掛けてみる。
「…っ」
爆豪くんはそんな私達を見て、ギリッと歯を食いしばっていた。
「ね、僕のことはいいよ…!いいから、今日はもう帰っ…」
「あーぁ、うっぜー。うっぜぇうっぜぇうっぜぇええ…」
爆豪くんはイラついているのを隠そうともせず、頭をガシガシと掻いていた。
そして…
「…死ねやクソデクぁ!!」
爆豪くんは怒鳴りながら、近くにあった掃除用具入れをガンッと蹴った。
その衝撃で掃除用具入れの中から、バケツが一つ転がり出てくる。
爆豪くんはそのバケツを掴み、私達に投げ付けようと振りかぶった。
「危ないっ!」
『!』
気付けば、緑谷くんの背中が私の目の前にあって。
「かっちゃん…僕のことは良いよ。けど…彼女に怪我させるなら…許さない…!」
緑谷くんは震えながらも、私をその背中に隠してくれた。
『緑谷くん…』
「~~~ッ…!!」
それを見た爆豪くんは、床に転がり落ちていたバケツを拾い上げる。
そしてそれを力強く緑谷くんの身体に投げ付けた。
ゴゥン!と鈍い音がする。
「い゙っ…!!」
『緑谷くん!!…緑谷くん、大丈夫…!?』
「やべぇ、これ止めねーとヤバいって…!」
「誰か先生呼んできて!」
クラスメイトが騒いでいるのがどこか遠くで聞こえる。
私は緑谷くんの前に出て、爆豪くんを再度睨み付けた。
『やめてよ!何で!…何でこんなことするの!?』
悲しかった。
爆豪くんがこんなことを平気でする人だったなんて。
私は勢い余って涙が出そうになるが、それでも爆豪くんを睨み続けた。
すると爆豪くんもこちらを睨み付けてくる。
けれど、次に爆豪くんの口から出たのは意外な言葉だった。
「…お前が…!」
『…私…?』
爆豪くんは啖呵を切ったように言葉を繋いだ。
「お前がなんにも分かってねぇからだ!!お前が悪い!目障りなんだよ!デクの野郎のどこが良いんだオラ、言ってみろや!好きなんか、あァ!?」
今度は私が胸倉を掴まれ、眼前で思い切り怒鳴られる。
そんな爆豪くんに負けじと、私も声を上げた。
『緑谷くんは大切な友達だよ!爆豪くんなんかより、ずっとずっと大好きなんだから!!』
そう言い切った瞬間、
バチン!
『っ…!』
爆豪くんに平手打ちされた。
口内に血の味が広がる。
「…あ」
爆豪くんはハッとした表情を見せた。
『…このっ…!』
「なっ!」
ムキになった私は爆豪くんの足に自分の足を引っ掛け、彼を転倒させた。
そのせいで爆豪くんは床に頭を強く打ち付けたようだ。
「…っざけんなよカフェコラァァァ!!」
爆豪くんは怒鳴りながら私に掴みかかってきた。
「お前達!!何してるんだ!」
そのタイミングで先生が駆け付け、爆豪くんと私は先生とクラスメイトに取り押さえられたのだった。