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「えーお前等も三年ということで!本格的に将来を考えていく時期だ!」
担任の先生が教卓の前に立っている。
「今から進路希望のプリントを配るが、みんな!…大体ヒーロー科志望だよね」
先生の声に合わせてみんな挙手している。
もちろん私もだ。
この"個性"を使って、人を"救ける"ヒーローになりたいのだ。
「うんうんみんな良い"個性"だ、でも校内で"個性"発動は原則禁止な!」
「センセー、"みんな"とか一緒くたにすんなよ!」
右隣の席から大きな声がしてそちらを見る。
相変わらず机に足を掛けたままの爆豪くんだ。
「俺はこんな"没個性"共と仲良く底辺なんざ行かねーよ」
「そりゃねーだろ勝己!」
「モブがモブらしくうっせー!」
ブーブーとブーイングが飛び交うが、爆豪くんは気にしていない様子だ。
「あー確か爆豪は…"雄英高"志望だったな」
先生が頭を掻きながらそんな言葉を漏らすと、途端に教室内がザワつき始めた。
「国立の!?今年偏差値79だぞ!?」
「倍率も毎度やべーんだろ!?」
「そのザワザワがモブたる所以だ!」
言いながら爆豪くんは机の上に飛び乗る。
危ないからほんとやめてほしい。
「模試じゃA判定!俺は中学唯一の雄英圏内!」
「…」
「あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!」
「あ、そいやぁ緑谷も雄英志望だったな」
先生の呟きに対し、みんなは一斉に緑谷くんの方を振り返り…
彼を見て、ブッと吹き出した。
「はああ!?緑谷あ!?ムリっしょ!」
「勉強出来るだけじゃヒーロー科は入れねんだぞー!」
はははと笑い声が教室内に響き渡る。
「そっそんな規定もうないよ!前例が無いだけで…」
「こらデク!!」
BOOM!!と大きな音がしてそちらを見ると、緑谷くんの机に向かって"個性"をかます爆豪くんが目に入る。
「"没個性"どころか"無個性"のてめェがあ~、何で俺と同じ土俵に立てるんだ!?」
「待っ…違う、待ってかっちゃん!」
緑谷くんは必死に爆豪くんを宥めている。
「別に…張り合おうとかそんなの全然!本当だよ」
『…』
「ただ…小さい頃からの目標なんだ…それにその…やってみないと分かんないし…」
緑谷くん、よく言った!
私は心の中でガッツポーズする。
…が。
「なァにがやってみないとだ!記念受験か!てめェが何をやれるんだ!?」
「…」
爆豪くんはいつもよりも機嫌の悪そうな様子で緑谷くんに突っかかっていった。
緑谷くんは何も言えないようだ…。
『…ちょっ「お前等いい加減にしろ!爆豪、緑谷、席に戻れ」』
「は、はぃ…」
「チッ…」
見兼ねた私が席を立とうとすると、先生が二人に着席するよう促した。
ふぅ…良かった。
「とりあえず今日の放課後から面談だ。持ち物は…」
「…うっぜ」
注意を受けた爆豪くんが、隣の席にドカッと腰掛ける。
『…』
私は特に爆豪くんを気に留めず、先生の話を聞きながらメモを取った。