06
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今は休憩時間だ。
仲の良い友達が購買にジュースを買いに行ってしまったため、暇を持て余していた私はぐるりと教室内を見回した。
『…お』
みんなが友達と話したり騒いでいる中、俯いて自身の机に向かっている緑谷くんが目に入る。
『…』
「………ブツブツブツブツ…」
邪魔をしないようにそっと近付くも、すっかり自分の世界に入り込んでしまっている緑谷くんは私に気付いていないようだった。
よし、話し掛けてみよう。
『なーにしてんの?』
「わぁあっ!!」
ビターン!とそのまま机に突っ伏す緑谷くん。
そんな彼を見て、私は目をぱちくりさせた。
『そ、そんなにびっくりしなくても~…!』
「ごごごっごめん!集中し過ぎて周りのこと見えてなくて…!」
『んや、私こそごめんね』
かぁあと顔を赤らめる緑谷くんがなんだか可愛らしい。
『それ何書いてんの~?ヒーローノート更新中?』
「ま、まぁそんな感じかな…!」
『いつも教室ではヒーローノート開かないのに珍しいねぇ?』
「ついさっきヒーローニュースが更新されてたんだ!それでなんか興奮しちゃってそのまま…あはは…」
『へぇ、見せて見せて~!』
緑谷くんの後ろから覗き込むような形でノートを見る。
少し肩と肩が当たるくらいの距離だ。
すると途端に緑谷くんが慌て始めた。
「ぅあぁ、えぇえっとぉ…!?ちょっと、カフェさん…!」
『ん?』
「ち、ちか、近いぃ…ですっ…!」
『あはは、何で急に敬語?』
「ヒィィ~~~…っ」
焦った様子の緑谷くんに少し申し訳無くなり、私は彼から少し距離を取った。
『ふふ、ごめんごめん』
「あぅ…なんか、こっちこそごめんね…!意識し過ぎて気持ち悪いよね…!?」
『あはは!そんなことないって!』
緑谷くんと話していると何ていうか、癒やされる感じがするんだよね。
『ふふ』
そうやって、照れまくっている緑谷くんを見て少し微笑んでいると。
「…」
どこからか嫌~~~な視線を感じた。
振り返らなくても大体想像はつくけどね…。
「か…かっちゃん…?」
『…』
緑谷くんがぎこちなく振り返ったため、私も釣られてそちらを見る。
「テメェ等さっきから…黙って見てりゃあ人前でイッチャイチャイチャイチャよぉお…」
するとそこには、いつになく機嫌の悪そうな爆豪くんが居た。
「気ッ色悪ィなァ、テメェ等まとめて死ねや!!」
『なにそれ理不尽過ぎ…』
「あァ"!?」
ボソッと呟いた言葉は彼の耳に届いていたようで、思い切り睨み付けられた。
何だ何だ、せっかく最近は機嫌良かったのに。
今にも"個性"を使って攻撃してきそうな爆豪くん。
どう回避しようかと考えていると、タイミング良く授業開始のチャイムが鳴った。
同時に先生が教室に入って来たため、ここで騒ぐわけにもいかない爆豪くん。
『(た、助かったぁ~…)』
彼は舌打ちをしながら自分の席へと戻って行ったのだった。