05
name change
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「では、隣の席の人とペアになって…」
授業中にペアを組むと言ったら…
英会話か、体育や音楽等の副教科、くらいだろう。
「今日は43ページの右上の例文をペアで読み合いましょう!」
只今、英語の授業中。
例に倣って、今日もペアでの朗読をするそうだ。
『…』
「…」
爆豪くんと私は前回の英語の授業中に喧嘩をし、一応仲直りはした。
けれど、それからも私達は口をきいていなかった。
まああれは喧嘩って言うか、この前のは爆豪くんが勝手にキレただけだけどね。
私は悪くな…っていろいろ言いたいところだけれど、このままだらだら考えていても埒が明かない。
さっぱり水に流して、しっかり切り替えて、私が大人にならなきゃだめなんだ。
私は身体を爆豪くんの方へ向け、口を開いた。
『This sleeping man is tired.(この眠っている男性は疲れています。)』
「…」
『…』
ちらりと爆豪くんはこちらを見る。
次の文、早く読んじゃえば良いのに。
"Why is this man tired?"
(どうしてこの男性は疲れているのですか?)
って、言うのに5秒も掛からないだろうに。
「Why is this man died?(どうしてこの男性は死んだのですか?)」
『Because…って、え?』
私は思わず顔を上げた。
聞き流しそうになったけど、"died"って言ったよこの人。
勝手に男性殺しちゃったよ。
『ちょ、なに勝手に文章改造してんのっ…』
「うるせェ」
小声でそう言うも、爆豪くんは平然としたままだ。
まぁいっか、気にしないでおこう。
それよりいつもの調子に戻って良かった。
また不機嫌になられて先生から呼び出し食らったんじゃ、話にならないからね。
『What's his name?(彼の名前は何ですか?)』
「His name is Bob.(彼の名前はボブです。)」
おぉ、爆豪くんがちゃんと朗読してくれるようになった。
良かった、前のままじゃ授業もままならないレベルだったからほんとに良かった。
「…Bob is killed in explosion.(ボブは爆死しました。)」
『…んふっ!』
真顔でふざける爆豪くんに、私は思わず吹き出してしまった。
『待って、それボブ可哀想過ぎるから。勝手に爆死させないで、ボブ生きてるから!』
「あ?俺の中のボブはとっくの前に死んでんだよ」
『"俺の中のボブ"!』
クツクツと笑っていると、爆豪くんも少しだけ。
ほんの少しだけ口角を上げて、一緒に笑ってくれたのが分かった。
『!…』
それを見た私の心臓が跳ねた。
なに今の。
爆豪くんの笑った顔、見慣れないからかな?
なんだか彼の優しい顔が脳裏に焼き付いて離れない。
「…」
いや待てよ、爆豪くんって黙ってれば意外と整った顔して…
『…いやいやないない…』
「あ?何見てんだコラ」
『んや、別に?』
「そこ二人、私語は慎みなさい!」
「おー」
『はーい』
私は余計な考えを振り払うように、一人顔を横に振った。
(少しでも爆豪くんが格好良く見えたなんて、有り得ない)