05
name change
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***爆豪視点
あぁ、腹が立つ。
最近のこの苛立ちは何なんだ。
最近無性にイライラすることが増えた。
とは言っても、原因は分かりきっている。
…"アイツ"のせいだ。
アイツが鬱陶しくて仕方無ェんだ。
「…」
この前、事故でアイツと唇がぶつかった。
それからというもの、まともにアイツと会話はしてねェ。
うぜえから。
視界にも入れたくねェ。
そんな中でアイツは俺を呼ぶ。
"爆豪くん"
名前を呼ばれる度に、全身に電流が流れるような感覚がする。
それと連動するかのように、心臓が跳ねてドクドクと波打つ。
んで、身体も熱くなってくる。
それが凄ェ気色悪ィ。
マジで何なんだこりゃあ。
…アレルギーか?
アレルギー反応っつーのに似てる気がする。
あぁ、そうだ間違い無ェわ。
"カフェアレルギー"だわ。
「…」
さっきは英語の授業中だったが、気色悪ィ感覚に耐え切れず、俺はカフェの机を蹴飛ばした。
思ったより吹っ飛んだ。
だが別に俺は悪くねェし、何とも思わねェ。
内申点だけが気になるところだな。
アイツのせいで雄英に行けなくなることだけは御免だ。
「…」
脳裏に、先ほどのカフェの様子が目に浮かぶ。
机を蹴っ飛ばすことは予想していなかったようで、驚いて目を丸くさせていた。
あぁ、間抜けな面だった。
思い出しただけで笑える。
「…」
…笑える、けれど。
アイツは驚いた後、なんだか泣きそうな顔をしていた。
それを見た時、自分の心臓がキュッと締め付けられて、痛くなるような感覚がして。
「クソっ…痛ェ…」
俺は一人呟いた。
ここ最近、この変な感情に振り回されている自分がいる。
カフェに仕掛ける悪戯を考えている時は正直楽しかった。
実際にカフェがそれに対して驚いたり、怒っているのを見て面白かった。
飽きることなく、ころころ変わる表情や態度をもっと見たいと思うようになった。
それが、"この前の件"があってからはどうだ?
カフェの顔を見るのが嫌になった。
悪戯を仕掛けようにも、この前のことを意識してしまって、それどころではなかった。
なんだか、むず痒い気持ちになった。
カフェ、カフェ、カフェ。
俺の頭の中は、憎いくらいカフェのことでいっぱいになっていた。
「カフェ…っ」
俺は静かに、自身のシャツを握り締めた。
***爆豪視点終了