04
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ドクン
「…」
再度、勘付かれねェようにゆっくりと顔を寄せる。
『…すぅ…すぅ…』
…近い。
コイツの顔が、身体が、息が、すぐ近くに在る。
ドクン
「うっ…」
何っだこりゃ…気色悪ィ。
心臓がキュッとするような感覚。
「(チッ!…さっさとビビらせて移動だ、移動)」
俺は顔を左右に振り、気を取り直してコイツを見た。
『…すぅ…』
「…」
『…ん…』
「…」
ドクン、ドクン
…あ?
ンだ、これ…
気色悪ィのが治まらねェ。
むしろそれは加速していくばかりで。
「…」
コイツを見下ろしていた俺。
俺の目の前で寝ているコイツ。
「…」
『…』
ドクドクとうるさい胸に多少の違和感を覚えながらも、俺はコイツの耳元に顔を寄せた。
その時。
『んん…?』
「あ?」
それは、ほんの一瞬の出来事。
チュッ
コイツが突然顔を上げたせいで…
「『…!!?』」
唇と唇が、触れたのだった。
***爆豪視点終了
え、え、何、ほんとにどういうこと。
だって、授業中から眠かった私はそのまま休憩時間も机に伏せて眠っていて…
夢の中の私は、夢の中にも関わらず爆豪くんにちょっかいを掛けられていた。
それにイライラするのと同時に、なんだか自分の身が"危険"なような気がして…
徐々に覚醒していく意識と共に、ふと顔を上げたのだ。
そしたら、なぜか目の前には爆豪くんの顔があって。
チュッ
…唇と唇が…ぶつかったんだ。
『…爆豪く…っ』
ガシッ
そんな効果音と共に、私の視界は真っ暗になった。
爆豪くんに顔面を鷲掴みされたからだ。
『あ…あの…』
「今からテメェを殺して俺も死ぬ」
『待て待て』
自分の背中にダラダラと冷や汗が流れるのが分かった。
爆豪くんが言うと冗談に聞こえないからほんとに怖い。
『は、離して…?』
「っ!」
顔を掴まれたままの私がそう言うと、爆豪くんは弾かれたように手を離した。
「喋んな気色悪ィ…!」
そう言いながら手首を軽く振って眉を顰められる。
キーンコーンカーンコーン
授業開始の合図が鳴った。
移動教室にいかなきゃ、なのになんだか身体が固まって動けない。
そんな私とは反対に、爆豪くんは顔を背けて教室の外の方へと歩いて行った。
『あ、ちょっと待っ…』
「…おい」
『は、はいっ…!?』
爆豪くんはこちらに背を向けたまま教室のドアの辺りで立ち止まった。
いつもよりも幾分か低く、ドスのきいた声が教室内に響く。
それに少しビビッたせいで、上擦った声が出てしまった。
恥ずかしい。
「死ね」
ケッとそう吐き捨てて、爆豪くんは出て行った。
『(うわぁ、めっちゃご機嫌斜め…最悪っ…)』
私は、未だ熱を持ち続けている唇に無意識に手を遣った。
(私のファーストキスが…最悪…っ)
(触れた身体が、唇が、熱くて仕方無ェ)