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"コイツをいじめていいのはなァ、俺だけなんだよ!!"
いろいろと言いたいことはあるけれど、今は身体中が痛い。
爆豪くんの友達が去った後、私は自身の身体を見遣った。
打ち身や痣、内出血が酷い。
「おい、まだ立てねェのかよ」
『ちょっと待って…"回復"するから』
「あ?回復ぅ?」
そっか、爆豪くんの前ではまだ"個性"見せたことないんだっけ。
私は自身の患部に掌を翳し、"個性"を発動した。
『…』
「…」
じわじわと心地良い感覚が身体を巡り、患部がゆっくりと元の状態に戻っていく。
爆豪くんはそれを見て、またキョトンとしていた。
今までは彼のしかめっ面かニヒル顔しか見たことがなかったから、なんだか新鮮だ。
「…それがテメェの"個性"か」
『うん、ちょっと時間掛かっちゃうけど…』
「なら、放課後の武闘は何なんだ」
『放課後の…武闘…?』
言葉足らずな爆豪くんの言葉を、頭の中で整理して必死に考える。
『…あ、組み手のこと?』
放課後に、たまに友達と私で組み手をしていることを思い出す。
武闘ってほど立派なもんじゃないけれど。
『私の"個性"は"回復"だけど、戦えるようにもなりたくて。だから個人的に練習してるんだけど…』
「…」
『何で組み手のこと知ってんの…?』
そんなに目立つような場所でやってる訳ではないと思うけどなぁ。
みんなの部活の邪魔にならないよう、体育館の隣の大きな木の下でひっそりやってたつもりなんだけど。
「別に。んなことよりさっさと回復済ませろや間抜け女、トロいんだよ動きが!」
『ちょ、蹴らないで!私一応怪我人だからね!?』
「わーっとるわ、黙れクソが!」
ゲシゲシと腰元を蹴られながらも、私は自身の回復手当を進めた。
『…』
なんだか少しむず痒い気持ちだ。
今まで散々意地悪されて来たけれど、さっきは私のために怒鳴ってくれた。
何だろう、いつもの態度がアレなだけに…
ちょっと嬉しかったような…気がする。
『あのさ、爆豪くん』
「…」
『さっきはありがと…』
爆豪くんにお礼を言うのが慣れていないからか、少し気恥ずかしい。
ちらりと爆豪くんを見ると、彼は口角を釣り上げながらこちらを見ていた。
「なに顔赤くしてんだよ、バッカじゃねェの」
『なっ…してないし!』
「(フン、惚れたな)」
そんな風に思われていたことなんて、知る由もなかった。
(爆豪くんって、よく分かんない人だなぁ)