02
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翌日。
休憩時間、お手洗いから教室へと戻っている時の出来事だった。
階段をちょうど登り切ったその時、目の前から声が掛かった。
「おうカフェ!」
最近聞き慣れた爆豪くんの友達の声だ。
『ん、なぁに?』
「白々しいなぁ」
「最近勝己と仲良いじゃん?」
『なっ…はぁ!?』
どこをどう見たら仲良くやってるように見えるんだろう。
向こうが一方的に嫌がらせをしてくるだけじゃないか。
『ちゃんと目ぇ開いてる?見えてる?』
「開いてるよバカ!」
前のめりになって言ってくる彼に、私は仰け反りながらも言い返す。
『あは、じゃあ寝惚けてんじゃない?』
「ハァ!?うるせー!」
彼が叫んだ次の瞬間。
ドンッ
彼が私の肩を強く押したのだ。
『えっ』
「あ…」
私の身体は、ちょうど今登って来た階段の方へと傾く。
次に、何とも言えない浮遊感。
『(落ちるっ…!!)』
咄嗟に頭を守り、ギュッと目を瞑りながら身体を固くする。
何度も何度も階段に身体をぶつけ、私は呆気無くゴロゴロと階段を転がり落ちた。
最後にドシンと間抜けな音がする。
「や、やべぇって…」
「どうしよう…」
『い゙っ…たぁ~…』
全身を痛みが駆け巡り、床に倒れたまま身体を起こせない私。
そのため、床に伏せた状態のまま身体を丸めて痛みに耐えていると…
「は?」
頭上から声がした。
ちらりと目線だけ動かして見てみると、そこには私を見てキョトンとした様子の爆豪くんが居た。
『っ…』
最悪だ、こんな所で会うなんて。
追い打ちをかけられる。
踏まれるのだろうか、蹴られるのだろうか、いや、笑われるかもしれない。
『ごめ…、すぐ退くから…』
そう言いながら痛みに耐え、身体を起こそうとする。
すると…
「…」
『!』
なんと爆豪くんは私の元にしゃがみ込み、身体を引っ張り起こしてくれたのだ。
「立てんのか?」
『ん…ちょっと休憩すれば大丈夫』
「…」
廊下に私を座らせたまま、イライラした様子の爆豪くんは階段の上をギロリと睨んだ。
「オイ…何しとんだテメェ等は!!」
『ひぃっ…』
すぐ近くで大声を出され、驚いた私の口からは情けない声が漏れる。
爆豪くんが彼の友達に怒鳴っている所を見るのが初めてで驚いた。
「か、勝己…」
彼等も驚いているようだ。
「ちげぇよ、今のは事故で…俺等も悪気があった訳じゃ…」
「つーかコイツが先に俺等を煽ってきたんだ!」
「うっせェ!!」
弁解の言葉を並べる彼等を爆豪くんは一喝した。
「やって良いことと悪ィことの区別くらいつけれんだろーが、頭弱いんかテメェ等、あァ!?」
「なっ…」
『ちょっと…私も悪いんだよ、だからそんな言い方…』
「黙ってろ間抜け女!」
『っ…』
間近で怒鳴られて私は思わず口を閉ざした。
爆豪くんは更に口を開く。
「コイツをいじめていいのはなァ、俺だけなんだよ!!」
廊下に彼の怒鳴り声が響いた。
『…え』
ちょっと待って。
何それ、どういうこと?
「…っ」
「い、行こうぜ」
バツが悪そうにしながら、爆豪くんの友達はその場を去ってしまった。