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『(来た、切島くんの番だ…!)』
切島くんにエールを送った私は、また1-Aのみんなの居る席へと戻って来た。
ステージには切島くんが既に居る。
《「第七試合スタートォ!!」》
切島くんの相手は確か"個性"が似ているっていうB組の鉄哲くんだ。
「うぉおおおお!!」
「うぉおおおお!!」
鉄哲くんと切島くんが同じフォームで拳を突き合わせる。
真っ向からの殴り合いだ。
「効いてねぇぞおぉ!!」
「俺だって効いてねぇぇ!!」
顔面や身体を殴り合う二人。
二人の身体に傷が増えていく。
"個性"を使ってもこうなるなんて…
お互いの"個性"の相性が悪過ぎる。
『(切島くん、負けないで!切島くん…!!)』
そして、しばらく殴り合いが続いたかと思えば…
ドサッと二人は同時に倒れ込んだ。
《「"個性"だだかぶり組、鉄哲vs切島!真っ向勝負の殴り合い、制したのはー!?」》
『(切島くん、立って…!ここで立ったら勝てるよ…!)』
「…」
「…」
私の願いも虚しく、二人とも意識を失っているのか立ち上がらない。
ミッドナイトが二人に歩み寄る。
「…両者ダウン、引き分け!引き分けの場合は回復後、簡単な勝負…腕相撲等で勝敗を決めてもらいます!」
切島くんと鉄哲くんが担架に乗せられ運ばれて行く。
『切島くん…!』
私は立ち上がり、すぐさま彼が運ばれたであろう出張保健所へと向かった。
***
私はリカバリーガールの出張保健所に来ていた。
しかし…
「怪我人以外は帰りな!」
『そ、そんな…リカバリーガール、お願いします!顔を見るだけ…!迷惑掛けませんから!お願いします…!』
「悪いが今忙しいんだ…!それにこの子達はすぐに治るから心配無いさ。帰ってクラスメイトの試合を見てなさい。それも勉強なんだよ」
と、そんな具合でリカバリーガールに追い返されてしまった。
『…』
リカバリーガールは忙しそうな中でも、ちゃんと私に向き合ってくれた。
感謝しないと。
…けれど。
それでもやっぱり私は切島くんのことが心配で。
『…とは言っても、今は一旦戻るしかないか…』
浮かない顔で保健室から観客席へと戻って来る。
すると今までの対戦とは空気が違い、誰一人笑っている者など居なかった。
ただならぬ雰囲気に驚き、私はステージに目線を向ける。
ステージは黒煙と瓦礫でいっぱいだった。