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さて、個人戦第一試合…緑谷くんと心操くんの戦いが終わった。
「デクくん、お疲れ!」
「と・な・り、空けてあるぞ!」
試合が終わって観客席へとやって来た緑谷くんに、みんなで労いの言葉を掛ける。
緑谷くんは試合開始早々、心操くんの"個性"に掛かってしまったようだったが…
なんとかそのピンチを潜り抜けたようだ。
第一試合は、緑谷くんが勝利を納めたのだった。
「…」
緑谷くんはちらりと尾白くんに目配せをした。
そして緑谷くんは、少し離れた所に座る私にも視線を向ける。
「…」
『…』
「!」
私は笑って緑谷くんに向かって親指を立てておいた。
『てか、あれ?上鳴くんの出番次じゃない?』
私は隣に座る上鳴くんに視線を向けた。
「あ、そっか!んじゃ俺、下行かなきゃだわ!サンキュ!」
『しっかりしてよ〜…行ってらっしゃい』
私は上鳴くんと手を振り合った。
《「お待たせしました!続きましてはこいつ等だ!優秀!優秀なのに拭い切れぬその地味さは何だ!?ヒーロー科 瀬呂範太!対!2位・1位と強過ぎるよ君!同じくヒーロー科 轟焦凍!スタート!!」》
第二試合は轟くんと瀬呂くんだ。
試合開始と同時に、瀬呂くんは自身のテープを轟くんの身体に巻き付けて勢い良く場外へと引っ張る。
《「場外狙いの早技!この選択はコレ最善じゃねぇか!?正直やっちまえ瀬呂ー!!」》
そして轟くんが場外に放り出されるかと思ったその時。
キィイン
大きな振動と共に、私は目を閉じた。
『…?』
目を開けると、轟くんの"個性"と思わしき氷の山が、私の眼前にまで迫っていた。
「や…やりすぎだろ…」
「瀬呂くん…動ける?」
「う、動けるわけ無いでしょ…痛ぇ…!」
ここからだと瀬呂くんの様子は見えないけれど、恐らく瀬呂くんは…
「瀬呂くん行動不能!轟くん二回戦進出!」
やはり行動不能になっていたようだ…。
いや、こんなの避けろと言う方が無茶だ。
「ど、どーんまい!」
「「「どーんまい!どーんまい!」」」
どこからともなく、どんまいコールが響き渡る。
『どーんまい!』
とりあえず私も便乗しておいた。
***
《「ステージを渇かして次の対決!B組からの刺客!キレイなアレにはトゲがある!?塩崎茨!対!スパーキングキリングボーイ!上鳴電気!!」》
さて、第三試合は上鳴くんとB組の塩崎さんだ。
何やら塩崎さんが司会のプレゼント・マイクに異論を申し立てたことにより、彼は塩崎さんに平謝りしているようだ。
《「と、とにかくスタート!」》
「無差別放電…130万ボルト!!」
お、早速上鳴くんの必殺技が出た。
しかし塩崎さんはそれを茨の壁で防ぎ、蔓のようなもので上鳴くんの身動きを簡単に封じてしまった。
《「瞬殺!あえてもう一度言おう!瞬・殺!!」》
「二回戦進出、塩崎さん!」
プレゼント・マイクの言うように瞬殺された上鳴くんは、見ての通り全国ネットにアホ面を晒していた。
「あちゃー…」
響香ちゃんが頭を抑えている。
私はモニターに映るアホ面を見届けて、飲み物を買いに自販機へ行くために席を立った。