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チアの衣装からジャージへと着替え終えた私は、早速尾白くんがくれた連絡先にメッセージを送る。
するとすぐに返事が返ってきた。
二人は"選手控え室1"に居るとのこと。
『お、ここだ!』
ノックしてからガチャリとドアを開けると、中には尾白くんと緑谷くんが居た。
『お待たせ!どこまで話した?』
「まだアイツのが"人を操る個性"としか話してないよ」
尾白くんは記憶を無くす"個性"では無さそうだと判断したらしい。
確かに"人を操る個性"として考えた方が良いだろうと心の中で思いながら、私は尾白くんの隣に着席する。
「"人を操る個性"か…それって強過ぎない?」
「あぁ。でもたぶん初見殺しさ。俺、問い掛けに答えた直後から記憶がほぼ抜けてた。そういうギミックなんだと思う」
『色々考えたけど…たぶん言葉を交わすと、相手の"個性"に掛かっちゃうみたい』
「うっかり答えでもしたら即負けだね…」
尾白くんと私の言葉を聞いて、緑谷くんはブルッと身体を震わせた。
「いや、でも万能って訳でもなさそう」
「え?」
「記憶…"終盤ギリギリまでほぼ"って言ったよな?心操が鉄哲のハチマキを奪って走り抜けた時、鉄哲チームの騎馬と俺、ぶつかったみたいで…したら覚めた。そっからの記憶はハッキリしてる」
そうだったんだ、それは初耳だ。
「衝撃によって解ける…?」
「の、可能性が高い」
『なるほど…私は競技中に誰ともぶつかったり衝撃を受けなかったから、"個性"を解かれるまで丸ごと記憶が無かった訳だ』
「そうか…!じゃあもし"個性"を発動されても、衝撃があれば対策は打てる…!」
「つってもどの程度の衝撃ならとかも分かんないし、そもそも一対一でそんな外的要因は期待できないけどな」
『やっても良いなら私が一発キメに行くけど、流石に許可されるはずないしねぇ』
「な、なんか怖いよカフェさん…!?」
手を数回にぎにぎとして見せると、緑谷くんはカタカタと震え始めた。
私はそんな緑谷くんに冗談だよと笑い掛ける。
「まぁ俺等から出る情報はこんなもん」
「ありがとう!物凄いよ!」
『私は何もしてないけどねぇ』
「うぅん!そんなこと無い!」
首を振って否定してくれる緑谷くんはとても優しい。
「凄い勝手なこと言うけどさ…俺の分も頑張ってくれな」
「尾白くん…」
『私も本当はめちゃくちゃ悔しい…どうしても勝ちたい理由があったから。だから私の分も、勝って欲しい』
「カフェさん…」
尾白くんと私が緑谷くんに拳を突き出すと、緑谷くんは大きく頷いてくれる。
「うんっ!!」
私達三人は拳を合わせた。