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こうして、お昼休みが終了。
《「最終種目発表の前に、予選落ちのみんなへ朗報だぁ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさぁ!」》
プレゼント・マイクの声がグラウンド内に木霊する。
《「本場アメリカからチアリーダーも呼んで、より一層盛り上げ…ん?アリャ?」》
私達1-Aガールズは全員浮かない顔でグラウンドに整列していた。
《「どーしたA組、どんなサービスだそりゃあ!?」》
プレゼント・マイクの声に、観客や他の生徒全員の視線が私達に降り注ぐ。
「峰田さん上鳴さん、騙しましたねー!?」
ヤオモモの怒りの先の、峰田くんと上鳴くんが少し離れた所で親指を立てているのが分かる。
そう、私達はこの二人に騙されたのだ。
「みんなイイけど、カフェが身体のライン見える服着てるのって激レアじゃん!?めっちゃエロい!!」
『聞こえてるからね峰田くん!?くっそぉ、いつもなら私もそっち側なのにっ…!』
「怒るとこそこ?」
三奈ちゃんにツッコまれるが、これが本音なのだ。
「なぜこうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…衣装まで"創造"で作って…」
膝から崩れ落ちるヤオモモの背中をお茶子ちゃんが擦る。
「アホだろアイツら!!」
顔を真っ赤にしてポンポンを投げ捨てる響香ちゃん。
あ、可愛い。
「まぁ本戦まで時間空くし、張り詰めててもしんどいしさぁ!良いんじゃない!?やったろ!」
「えぇぇぇ!?」
「透ちゃん…好きね」
みんなが何やら騒いでいる中、私は正面に居る1-A男性陣から目を離せずに居た。
『…』
「…」
正確に言うと、顔を赤くしてこちらを凝視している切島くんと目が合い、逸らせずに居るのだが。
『(う…うわぁ…!どうしよ、めちゃくちゃ見られてる…!)』
切島くんに見られていると思うと、自然と赤面してしまう。
もっと言えば観客席に居る多くの人達に見られていて、モニターにも大きく映し出されている…カメラも回っているのに。
どうしてか、切島くんを意識してしまう方が恥ずかしく、身体中が熱くなってくるのだ。
「切島見てみろよ!俺等、超良い仕事したんじゃね!?」
「感謝しろよ切島!」
上鳴くんと峰田くんが私を指差しながら、切島くんに絡んでいる。
「なっ、お…お前等なぁっ…!」
《「A組女子、とりあえず生徒側に合流しろ〜!」》
プレゼント・マイクの声に従い、私達は1-A男性陣の後ろに並ぶ形で集合した。
1-Aは勿論だが他のクラスからも好奇の目を向けられる。
みんな可愛いから見てしまうのは仕方無いけれど、やっぱりこの視線の中の居心地は悪い。
『…、』
「なんかカフェが恥じらってんの珍しいな!」
「んなイイモン持ってんなら普段から出しとけよな!」
『アホか』
小言を言ってくる上鳴くんと峰田くんをとりあえずポンポンでシバいておいた。
するとその時。
「『!』」
顔を上げたタイミングで、すぐ傍に居た切島くんと目が合った。
「…」
『…』
固まったままお互いに動けない私達を見兼ねたのか、瀬呂くんが切島くんの肩を叩いた。
「切島、カフェに何か言うことねぇの?」
「ハッ!…あ〜…っと…」
瀬呂くんの言葉に、切島くんがハッとして姿勢を正す。
周りが少し静かになったため、自分の心臓の音がみんなに聞こえてしまいそうな錯覚に陥る。
「…、」
意を決したように切島くんは一呼吸置いて、真っ直ぐに私を見て言い放った。
「似合ってる。すっげぇ可愛い!」
ニカッと笑う切島くん。
私が言葉を発する前に、ワッと周りから野次や拍手が飛んだ。
「切島良く言った!」
「良いぞ〜切島〜!」
「はぁんっ…青い…青いわっ…!」
驚くことに、生徒達だけでは無くミッドナイトまで悶絶している。
《「お…お前等なぁっ…!なんか見てるこっちが恥ずかしいだろうが!どうなってんだよA組担任!?」》
《「知らん」》
《「まぁ!青春モードも良いが、こっからまた次の競技進めていくぜ〜!」》
みんなからの言葉に、私はただ顔を赤くすることしかできなかった。
「これテレビとか全国ネットで放送されるってアイツ等知ってんのかな…なぁ瀬呂」
「やめとけ上鳴、何も言うまい」