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「さーて第二種目よ!私はもう知ってるけど~…何かしら!?言ってるそばからこれよ!騎馬戦!!」
騎馬戦かぁ…
一緒に組むメンバーが重要な競技だ。
でも騎馬戦は個人競技じゃない。
どうやって競うのだろうか。
私達の疑問に、ミッドナイト先生がサクサクと説明してくれる。
なるほど、先程の順位によって個人にポイントが割り当てられるのか。
『(33位の私は…50ポイントかぁ)』
上位42名の中では順位が下の方なので、ポイントも勿論低い。
「そして一位は…1000万ポイント!上位のヤツほど狙われるわ!」
ミッドナイトの言葉を聞いた私は思わず、先程一位だった緑谷くんの方を見てしまう。
他のポイントをどれだけ取っても、1000万ポイントには辿り着かないんだ。
ということは…
『(狙うは1000万ポイントのみ…!)』
「それじゃこれより15分、チーム決めの交渉スタートよ!」
この騎馬戦、一緒に組む人とその人の持つ"個性"によって、勝敗が左右されると考えても過言じゃない。
中距離から遠距離に掛けての攻撃が可能な"個性"じゃないと不利だ。
…となると…あれ…?
『(私コレぼっちコース確定…?)』
だって私の"個性"はこの場では使えないし…
体術だって騎馬戦で活用させるのは相当難しい。
『(切島くんとは"戦いたい"…。うぅ…どうしよう…!)』
「カフェさん、組もうよ!」
交渉開始早々、近くに居た尾白くんが手を振りながらこちらにやって来た。
私はそれに驚く。
『…え、いいの!?だって私50ポイントしかないし…尾白くん、160ポイントだよね!?』
「うん、この前USJで一緒に戦った時、カフェさんとはやりやすかったから!」
『そ、それとはまた違うような気もするけど…』
一度共に戦ったことのある尾白くんが組もうと言ってくれるのは非常に有り難い。
他の子と組むよりも意思疎通がしやすいし、尾白くんの尻尾は近・中距離攻撃に対して有利だし応用性が高い。
でも私で良いのかな、なんて思ってしまう。
なんせ私は回復の"個性"と、近接攻撃の体術以外の技は持ち合わせていないのだ。
騎手ならまだ動けるかもしれないけれど騎馬なら本当に何も出来ずに走るだけ。
そんなの嫌だ。
「俺達"体術コンビ"だろ?それとも俺じゃ力不足?」
眉尻を下げてへらりと笑う尾白くんに、私は全力で首を横に振った。
『全っ然!そんなことない!むしろこっちからお願いするよ~!尾白くん、よろしくね!』
「うん!よろしく!」
私達二人は手を取り合った。
…はずだった。
「『…!?』」
あれれ、何かがおかしいぞ。
尾白くんと私の手の上に、もう一つ誰かの手が重ねられている。
ゆっくりと顔を上げるとそこに居たのは…
『青山くん…!?』
「やぁ☆」
なぜかウインクを飛ばされたので、私も適当にウインクを返しておく。
尾白くんが隣で苦笑してたけど気にしないでおこう。
「僕が居れば即戦力さ!僕の手を貸してアゲル☆」
尾白くんと私は顔を見合わせた。
「なぁ、そこのA組三人さぁ」
『ん?』
今度は後ろから声が掛かり、三人揃って振り返る。
「き、君は…この前A組に宣戦布告に来ていた普通科の…?」
「君も僕達と組みたいのかい?もちろん大歓迎さっ☆」
青山くんは目を閉じて、薔薇を咥えながらポーズを取っている。
どっから薔薇出した?
…そう、そこにはいつかの放課後、宣戦布告に来た普通科の男子生徒が居た。
『あれ?でも確かA組にリベンジするとか言ってなかっ…』
ドクン
心臓が大きな音を立てた。
…あれ、なんだか身体がおかしい。
頭は動いてるのに身体が…
………動かない…?
「…俺は心操人使、普通科。よろしく」