08
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《「A組カフェモカ、ゴォールッ!!」》
プレゼント・マイクの声が聞こえる。
私はゴールを過ぎて会場の端の方で膝に手を付き、息を整えた。
悔しい。
庄田くんと話している間に何人もの生徒に追い抜かれたことよりも、クラスの子達の思いを汲み取り切れなかった自分に腹が立つ。
「ねぇねぇ」
声を掛けられ振り返ると、そこにはいつかの登校中、靴擦れで困っていた際に救けた女の子が居た。
『あ、貴女は…!』
「覚えててくれたんだ!私、B組の拳藤一佳!」
『私はカフェモカ、A組だよ』
「なんだぁ、同い年だったんだね!この前はありがとう」
ニコニコと笑い掛けてくれる彼女は可愛らしいがどこかさっぱりしていて、とても話しやすいなぁと思った。
「なんか男子の話聞いてると"A組は嫌なヤツばっかだ〜"とか言うから、どんなもんかと思ってたんだけど。アンタみたいなのも居るんだね、安心した!」
『あぁ〜…』
頭の中で以前A組まで偵察…
いや、宣戦布告に来た生徒達を思い出す。
「さっきね…ウチのクラスの庄田、救けてくれてたじゃん?通り過ぎざまに見てたんだ。ありがとね、庄田のこと救けてくれて」
『そ、そんなお礼言われるようなことしてないよ!結局、何も出来なかったし…』
私がしたのは"余計なお世話"というやつだ。
彼も救けを求めていなかったようだし。
「あはは、やっぱ庄田断ったか〜」
『?』
「アイツにもプライドがあるみたいでさ。でも救けようとしてくれたその気持ちは嬉しかったと思う」
『!』
「その間に追い抜いてた私が言うのもどうかと思うけど。ま、お互い二回戦も頑張ろうね!」
そう言ってモニターの方へと顔を向けた彼女に釣られて私も見てみる。
すると、予選の順位が公開されていた。
ミッドナイトによれば、予選通過者は上位42名、とのことだ。
私は33位だった。
切島くんはかなり上位みたいだ…流石。
『(でも、まずはなんとか予選突破できた…!)』
じゃあね!と軽く手を振り去って行く彼女はとても感じが良く、また話したいなぁなんて思った。
今はあまり切島くんの順位は気にしないでおこう、切り替えが大事だ。