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そして早くも体育祭本番の日がやってきた。
この日に備えて特訓したんだ、大丈夫だ。
私の周りには気合いを入れる人や緊張を解きほぐそうとする人、色々な生徒達が居る。
私はひとつ深呼吸をした。
すると、そのタイミングで飯田くんが待合室に入って来た。
「みんな、準備は出来てるか!?もうじき入場だ!」
深呼吸を繰り返していると、轟くんがふいに緑谷くんに近付いた。
「緑谷」
「轟くん…何?」
珍しい組み合わせに、みんなの注目が集まる。
「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
「へ!?う、うん…」
「お前、オールマイトに目ェ掛けられてるよな」
「!」
「別にそこ詮索するつもりはねェが…お前には勝つぞ」
何か強い想いの篭ったような目で、轟くんは言い放った。
あんな風に言われて…緑谷くん大丈夫かな。
「…」
緑谷くん、言葉失ってるし…
『(余計なお世話かもしんないけど…何かフォローを…)』
私は緑谷くんの元へ行くために席を立とうとした。
…が。
「くっ…!!」
『…!』
とある人物に釘付けになったせいで動けなかった。
「おぉ、クラス最強が宣戦布告!?」
上鳴くんが身を乗り出す。
それを見てフォローしようと立ち上がったのは切島くんだ。
「急に喧嘩腰でどうした!?」
こんな時に思うべきではないかもしれないけれど、やっぱ切島くんは頼りになるなぁなんて心の中で思う。
そして切島くんは轟くんの肩を掴んだ。
「直前に辞めろって…」
「仲良しごっこじゃねェんだ、何だって良いだろ」
轟くんは切島くんの腕を払い除けて去って行こうとする。
"仲良しごっこじゃねェんだ"という言葉が妙に頭に残った。
仲良しごっこなんてしてるつもりはないけれど…
『(そんな、冷たい言い方しなくても…)』
轟くんを見つめながらそう思っていると、今度は緑谷くんがゆっくりと顔を上げた。
「…轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのか…は、分かんないけど…そりゃ君の方が上だよ、実力なんて大半の人に敵わないと思う…客観的に見ても…」
「緑谷もそーゆーネガティブなこと言わねぇ方が…」
「でも…!」
宥める切島くんの言葉を遮って、緑谷くんは続けた。
「みんな、他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ!僕だって…遅れを取る訳にはいかないんだ…僕も本気で獲りに行く!!」
「…おお」
「…っ」
クラスに微妙な雰囲気を残したままになってしまったけれど…
そろそろ入場開始というアナウンスが流れる。
みんなが立ち上がる中、私は目の前に座る人物にちらりと目を向けた。
私が先程、立つタイミングを失った理由。
「っ…!!」
ギリッと歯を食いしばってテーブルを睨み付けている爆豪くんから、目が離せなかった。