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「モカならそう言うと思ったぜ!」
『切島くん、私のことお見通しなんだね。流石!』
軽く笑い合った後、私は身体を起こそうとした。
が、手を握る力を強められて起き上がるのを阻止される。
「待て待て、まだ話は終わってねーよ」
『あ、ごめん』
この寝転んだまま向かい合った体勢が気に入ったのか、切島くんはこのまま動こうとしない。
「そんでさ…体育祭で俺が勝ったら、モカに大事な話をしてェんだ」
『…大事な話?』
切島くんの言葉を繰り返した私に対して彼は大きく頷く。
「あぁ、だから俺は絶対ェ誰にも負けねェ。モカにも勝って優勝して、そんで話を聞いてもらう」
話くらいいつでも聞くよ、本当はそう言ってあげたかった。
それでも言えなかったのは、目の前の彼の雰囲気に圧倒されて口が開かなかったからだ。
私は黙って頷いた。
「…よし、言いたかったのはそんだけだ!」
そう言って切島くんはガバッと起き上がり、そのまま手を引いて私を起こしてくれた。
今日はほとんど何もしてねェな、なんて言いながら帰り支度を始める切島くん。
『切島くん』
「んー?」
もうすっかりいつもの雰囲気に戻った切島くんがこちらを振り返る。
『…私も負けないから!』
勝って彼を守れるくらい強くならなきゃ、いつまで経ってもこの関係のままだ。
「上等だ!」
私の言葉に切島くんは笑顔を見せてくれた。
((この体育祭、絶対に))
(負けられない)(負けらんねェ)