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***切島視点
結論から言えば俺はモカが好きだ。
中学時代からずっと大好きだ。
モカは俺のことをどう思ってんのか知らねェけど、いつも一緒に居たし、周りからはよく"切島カップル"とイジられた。
でも付き合っている訳ではなく、"相棒"として一緒に居る。
周りのヤツ等には"それで付き合っていない方がおかしい"と言われたし、俺も何度か告白しようと考えたことがある。
それでも告白しないのは、"今の俺にはモカを守れるほどの力は無ェ"からだ。
情けねェがそれが現実だ。
実際、USJで敵襲撃に遭った時も俺は何も出来なかった。
モカは敵の主犯格に捕らえられていたのに、俺の攻撃は主犯格相手に掠りさえしなかった。
モカが敵と見つめ合っているのを見て、ただ焦る気持ちが先走ってしまったのがデカいと思う。
そんな中で、モカと敵の主犯のヤツがキスした…ように見えたから、ほぼ無意識に相手を殴りに行った…
当たらなかったけどな。
後からモカに聞けば、キスされた訳ではなく涙を舐められたとのこと…
気色悪ィことしやがる。
モカには言わねェけど…
キスも嫌だが、涙を舐められたってのも許し難ェ。
許せねェはずなのに、
「(それでも俺は何も出来なかったんだ)」
だから俺はもっと強くなって、胸を張って"俺がお前を守る"って言い切れるようになってからじゃねェと付き合う資格なんて無ェと思ったんだ。
そんなことを考えながら、シャワーを浴び終えた俺は自室へと足を向ける。
「モカ、お待たせ…って、」
部屋に入れば、モカが俺のベッドの上で横になっていた。
「寝てんのか…?」
ベッドのすぐ傍まで近寄り、モカの顔に掛かる髪をそっと指で避ければ、 安心しきった表情で寝息を立てているのが分かった。
「(あー、クソ可愛いなぁオイ…!)」
自分の心拍数が上がっていくのを感じながら、先程のモカの様子を思い返す。
俺の持っている中でも小さめのTシャツとズボンを貸したが、それでも大きかったようで首元が丸見えだった。
所謂彼Tってやつの破壊力は凄まじく、下心を隠すのが大変だったため、先程俺は逃げるように部屋を出てしまった。
まぁ彼Tっつっても彼氏じゃねぇけど。
それに、少し赤らんだ頬に風呂上がりというシチュエーションは、いつもよりモカを色っぽく感じさせていた。
モカが風呂に入っている間に着替えを持って行く時も"この扉の先にモカが居る"と考えると、想像以上にドキドキしてしまった。
そして今、俺の好きなヤツが俺の服を着て、俺のベッドで眠っている。
「(こんなの我慢しろっつー方がおかしいだろ…!)」
これは早くコイツ起こさねぇと、俺の理性が保てなくなっちまう。
「おい、モカ…」
肩に手を掛けようとして、留まった。
『ん…きりしま、くん…』
寝言だろうか、目を閉じたまま小さく溢れた言葉に耳を疑う。
「…、」
コイツは夢の中でも俺と一緒に居んのか。
それはギリギリ保っていた俺の理性を崩壊させるには充分過ぎたのだった。
***切島視点終了