07
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日も授業を受け、昼休みは切島くんと爆豪くんと共に過ごし、今は放課後。
切島くんと私は学校の演習会場で自主練習をしている。
「おっ…らぁあ!!」
『ぎゃぁ!?』
身を躱すと、ドゴォッと鈍い音が響く。
さっきまで自分が立っていた所を見ると地面がヘコんでいた。
今の鈍い音は切島くんがコンクリートを殴った音。
あんな馬鹿力パンチを喰らっていたら…と思うとゾッとする。
「避けてばっかか…よっ!!」
『足元もらいっ!』
「うおっ!?」
追撃しようとした切島くんの足に自分の足を引っ掛けて体勢を崩すことに成功した。
『ハーゲ○ダッツ…いただきぃいいっ!』
倒れた切島くんの腹部に馬乗りになり、拳を振り翳す…が。
「グーパン上等っ!!」
硬化でガードされてしまった。
『~っ…!いったぁああ!!』
勢いのついたまま硬化状態の切島くんをモロに殴った私は、激しい拳の痛みに思わず切島くんから離れた。
「っしゃあ!これは完全、俺の勝ちだな!」
上体を起こしながら嬉しそうに言う切島くんだが、正直それどころではない。
私はフーフーと拳に息を吹きかける。
『切島くんの硬化さぁ…!武器にも盾にもなるとか、ほんと強過ぎ便利過ぎ!もう~!』
「んな褒めても、ハーゲン○ッツはちゃんと奢ってもらうからな~!」
自分の拳に、反対側の手を翳して"個性"を発動して回復する。
『分かってる~…』
切島くんと私の特訓は基本殴り合いのようなものだ。
殴り合いと言えば聞こえは悪いかな…
言い方を変えれば、対人戦闘訓練と言ったところか。
オールマイトの授業のようにしっかりと状況設定がされている訳でも、戦闘服やアイテムを使ったりしている訳でもないけれど、実戦的なものが多い。
所謂"組み手"だ。
『ふぅ…治った。切島くんも怪我した所見せて?』
「おう!いつもワリィな!」
『んーん、私がやったんだし』
「それを言うならお互い様だろ?」
切島くんの腕や足首に手を翳す。
…切島くんは真っ向勝負で戦ってくれるから嬉しい。
変に"女だから"と手加減はしないで欲しいということを、たぶん理解してくれているんだろう。
「そういや、モカの"個性"だけどよ…回復するスピード早くなってきてねェか?」
『あ、やっぱり?私もちょっと思ってたんだ。まだまだ磨きをかければ早くなりそう…!』
毎日のトレーニングのおかげだろうか、心なしか回復スピードが早くなっている気がする。
そして切島くんもそう言ってくれたので、たぶんそれは間違っていないのだろう。
「今日のモカの動きは良かったけど、いつもより攻めて来なかったな。さっきみたいな時はもっとこう…」
『あぁなるほどねー?それいいね!』
切島くんとの特訓は筋トレやランニング等の体力作りに専念する日もある。
特訓が終わったら怪我した所を私の"個性"で治して、帰り道で反省会をして、適当にコンビニに寄って帰る…
というのが普段の流れだ。
「…おっ!」
『ん?』
私の隣に居る切島くんが、タオルで汗を拭いながらスマホを眺めている。
「親がメシ作り過ぎたんだってよ!モカ、ウチ寄ってかねェか?」
『んぇ、いいの?』
「おぅ!ちょっと待っててくれ!」
切島くんは親御さんに電話で連絡をしてくれているようだ。
私はその間に帰る準備を整えておく。
私もお母さんに晩ごはん要らないってメッセージ送っとかなきゃだ。
「…大歓迎だってよ!じゃあ行くか!」
『うん!』
ささっと着替えを済ませた切島くんの言葉に私は頷き、私達は並んで歩き始めた。