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時は放課後…帰宅路についている時のこと。
学校を出てしばらく歩いた所でスマホを教室に忘れたことを思い出した私は、一緒に帰っていた切島くんに断って学校へと引き返した。
自分の机の奥に入り込んでいたスマホを無事回収した私は学校を出る。
今日は一度家に帰って荷物を置いてから切島くんとランニングをする予定だったので、彼には先に帰ってもらったのだ。
下校の時間と少しズレているからか、この辺りは学校の近くだけれど生徒の数は疎らだ。
『(急がないと切島くん待たせちゃう~…)』
そんなことを思いながら歩くスピードを上げたその時。
BOOM!!
近くで爆破音がした。
『今のは爆破音…!?こんな町中で、なんで…!』
とりあえず音のした方へ向かって走る。
『確かこっちの方から…』
私はビルとビルの隙間に入り込む。
薄暗い路地をしばらく走っていると、酷く辺りが狭く暗く感じた。
『…』
私は周りを警戒しつつも、奥へと進んで行く。
するとそこには見覚えのある人物が立っていた。
クラスメイトの爆豪くんだ。
彼はこちらに背を向ける形で立っている。
『爆豪くん!?どうし…』
「クソ髪の女ァ!!」
突然こちらを振り返ったかと思えば、爆豪くんは私に向かって、何やら物を投げた。
いや、物じゃない。
『子供…!?』
5歳くらいの小さな女の子を私に投げ付けるような形で託され、私は少女を全身で受け止める。
「そいつ抱えとけ!!」
「うぇえええ~ん…!こわいよぅ…!!」
頭が混乱しそうになるが、一旦深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
爆豪くんの睨み付ける先には、小汚い感じの男の人が一人立っていた。
とりあえず、わんわんと泣きじゃくる少女を落ち着けるために、彼女を抱き締めて頭をゆっくり撫でる。
『どうしたの?どこか痛い?』
「うぅん…ママを待ってたら、知らないおじちゃんが、楽しいことしようって言ってきたの!どこにいくのって聞いたら、楽しいところだよって。手をひっぱられて、わたし、こわくなって泣いてたら、おにいちゃんがきてくれたの!」
誘拐犯か…!
こんな小さな女の子に、なんてことを。
きっと連れ去られそうな所を見た爆豪くんが救けに入ったんだ。
「その制服、雄英か…あまり調子に乗るなよ、まだ子供だろう?」
「うっせェ!!」
目の前では爆豪くんが、バチバチと両手で小さく爆発を繰り返している。
「ちょうどいい、テメェで俺の"個性"試してやんよ!!」
『なんでそんなヤる気満々…』
悪い顔でニヤリと笑みを見せている爆豪くんを見て、思わず小さく呟く。
いや、今はそれよりもこの子の安全確保と警察への通報が先だ。
『…』
私は爆豪くんの背後に隠れながら、先程回収したばかりのスマホを操作した。
そしてすぐに警察に繋ぎ、場所と用件を手短に伝えて電話を切る。
「おねえちゃあぁん…ママどこ?こわいよぉ…」
『もう大丈夫だよ。あのお兄ちゃん、顔は怖いけど…すっごく強いんだよ』
「ほんと!?」
『ほんと!』
少女に笑い掛けてやると、彼女はキラキラと期待に満ちた表情を見せてくれる。
「ガキの癖に…邪魔をするな!!」
男の人は鉄パイプを構えている。
「ハッ…ほざけ、ザコが」
二人が言い合いをしたかと思えば、お互いに走り出す。
『ここはお兄ちゃんに任せて、ママの所に行こう。ね?』
「うんっ!」
『(とりあえずここから離れなきゃ…)』
相手の"個性"が分からない上に、ここに居ては爆豪くんの爆破に少女を巻き込む可能性があると判断した私は、彼女を抱き抱えて爆豪くんに背を向けた。
背後で派手な爆発音が響く。
と同時に。
カララ…と、自分のすぐ真後ろで鉄パイプを引き摺る音がした。