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「カフェさん!」
『緑谷くん?』
お昼休み、緑谷くんに声を掛けられて振り返る。
「実はちょっと話したいことがあって。今から時間いいかな?」
彼がこうやってハッキリとした口調で何かを言ってくる時は、何か大切なお話がある時…だと思う。
いつも緑谷くんと一緒にお昼を食べている飯田くんとお茶子ちゃんは居ないようだ。
ということは、少し話が長くなるのかな…?
私はいつも一緒にお昼を食べている切島くんに目配せする。
少し離れた所から彼は小さく頷いてくれた。
『うん、大丈夫だよ!』
私が快く返事をすると緑谷くんは安心したのか、ほっとした表情を見せた。
「じゃあ…その、ここじゃ何だし、とりあえずどっか、別の所に…!」
どこで話すかまでは決めていなかったらしく、彼は慌て始めた。
さっきまでの雰囲気はどこへやら。
場所を変えるってことは、あまりみんなに聞かれたくないってことかな…?
『緑谷くん、今日はお弁当?』
「うぅん。購買で何か買うか、食堂行こうかなって思ってたんだけど…」
『あ、じゃあ購買で何か買って、中庭で話すのはどうかな?座る所あるし、一緒にお昼食べよう!』
私の提案に、緑谷くんは大きく頷いてくれた。
***
なぜか少し緊張した様子の緑谷くんと並んでベンチに腰掛けている。
先程から彼は何か言おうとしては口を閉じる、というのを繰り返していた。
少しでも緊張が解れるようにと、近くの自販機で適当に飲み物を買って緑谷くんに渡す。
『ほいっ、これどーぞ』
「え!?そんな、わ、悪いよ…!」
『もう買っちゃったし、私も自分の分あるから。貰って!』
ちょっと強引だけど、緑谷くんに飲み物を握らせた。
「あ…ありがと…!」
『いえいえ』
私は自分用に買った飲み物に口を付ける。
後は緑谷くんから話してくれるのを待とう。
「…一昨日のUSJでのことなんだけど」
彼はゆっくりと話し始めた。
「君が目の前で敵に捕まっていたのに…救けられなくて…ごめん」
飲み物を持つ緑谷くんの手に、グッと力が入るのが分かる。
峰田くんと梅雨ちゃん同様、彼も私を置いて行ったことを酷く後悔しているようだ。
みんな、とても仲間想いで素敵な人達だなぁ。
『あぁ、気にしないで!あの時は相澤先生を安全な所に運ぶのが優先だったし。それにその後すぐに、また戻って来てくれたでしょ?』
"カフェさん!オールマイト!"と叫びながら戻って来て、勇敢に敵に突っ込んで行った緑谷くんの姿を思い出す。
『あの時私ね、正直めちゃくちゃ怖かったんだ。でも緑谷くんが戻って来てくれて嬉しかったし、頼もしく思えたよ。救けに来てくれてありがとう』
「!…うん!!」
思ったことを素直に口にすれば、緑谷くんはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。